内容説明
鈴木貫太郎終戦内閣の内務大臣であった著者が、極東国際軍事裁判所からA級戦犯の指名をうけ、昭和20年11月入獄以来23年12月出獄に至るまでの3年間、綿々と綴った獄中日記。資料〈特高警察に就いて〉(未公開)も収録。
感想・レビュー
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こまったまこ
7
戦前は特高警察部長のちに警視総監。戦争末期には内務大臣。その安倍源基がA級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに収監されている時に書いた日記。小林多喜二らの拷問死に関わった特高の親玉。そのせいかプリズン内で獄兵に屈辱的な使役をさせられても気の毒と思えなかった。笹川良一や児玉誉士夫らと同室だったこともあり巣鴨は悪人達に共同謀議の場を提供しているようなものだ。海軍を非難しており特に岡田、米内、及川らが収監されないことに怒り心頭のようである。A級では東郷、木戸を罵倒している。立場が変わると意見が違ってくるのが面白い。2015/12/12