内容説明
一九八八年七月二三日、東京湾横須賀沖合で、潜水艦なだしおと遊漁船第一富士丸が衝突し、第一富士丸がなだしお艦首に乗り上げ横転して海中に没し、第一富士丸の乗客ら30名もの尊い命が失われるという痛ましい事故が発生した。本書は、この事故を分析、検討するものである。その目的は海上交通の安全、すなわち海上での事故をなくし、海を利用する人々すべての安全を願うところにある。本書は、第一部と第二部からなる。第1部においては本件事故の主要な論点についての検討、論評を行い、第二部においては本件事故にかかる判決、裁決等を要約した。
目次
第一部 論評編(なだしお・富士丸衝突事件の特殊性;主要な事実関係の争点―衝突時刻・右転具申の事実;航泊日誌の改ざん等―証拠の湮滅;航法の適用―避航船は「なだしお」か「富士丸」か;衝突の原因と過失;封印された「なだしお事件」の真相)
第二部 記録編