内容説明
フェリーニの魅力を満載。生い立ち、青春時代から監督デビューまでの足跡、各作品の思想的背景など、巨匠の全てを追う。
目次
1 リミニの漫画少年(一九二〇‐一九三八)
2 ローマのボヘミアン(一九三九‐一九四一)
3 シナリオ作家から映画監督へ(一九四二‐一九四九)
4 夢と幻想を追いかけて(一九五〇‐一九九三)
5 フェリーニの映画とカトリシズム
著者等紹介
川本英明[カワモトヒデアキ]
1955年奈良県生まれ。早稲田大学在学中よりイタリア語、イタリア文学を学ぶ。ペルージャ国際大学留学後、イタリア文学やイタリア映画の研究を続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
23
自分には気がつかなかった、深層の心に触れるような、夢の中のような、不思議な気分に浸れるフェリーニの映画。もう30年近く見てないけれど、改めて全作品の解説を読んでみるとフェリーニってローマの人だから、どうしてもカソリックのテーマが織り込まれてしまう、のかも。ストーリーにカソリック的な解釈がいくつも盛り込まれる。マリア様は聖女なのか、はたまた性女なのかと言った女性の多面性に惹かれる男たちが多く登場する「女の都」が好き。2019/06/09
あれ
2
実に半分以上のページを作品の表面的な紹介に費やしていて、フェリーニ映画に対する新たな視点をもたらしてはくれるとは言い難い。しかし本書はネオリアリズモの脚本家として出発した彼のキャリアが<初期3部作>(『寄席の脚光』『白い酋長』『青春群像』)、<魂の救済3部作>(『道』『崖』『カビリアの夜』)を通して、『甘い生活』以降のいわゆる"フェリーニ的"空想世界へ到達するまでの筋道をわかりやすく段階的に示してくれる。欲を言えば、フェリーニ以降の流れも示し、イタリア映画史におけるフェリーニを改めて位置づけてほしかった。2012/10/14