感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
名無しのゴンザレス
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第一級の教養人であろう仏人女性スタール夫人によるドイツ論の第三巻。訳者のあとがきによればこの巻が最もよく夫人の主張が現れているとのこと。実際一・二巻に比べてドイツとは直接関係がないと思える夫人自身の主張が多かった。夫人の哲学・倫理観は感情を第一にするもので、主にその観点からカント、フィヒテ、シェリング、ヤコービ、ルターなどなど幅広く考察されていた。巻末の年表によれば1808年から執筆し10年に校正を終えたとある。ヘーゲルの『精神現象学』は1807年だが、まだ有名でなかったのか彼には直接言及されていない。2013/08/03