内容説明
日本にはもともと在来種タンポポが生育しているが、都市部を中心にタンポポといえば外来種ばかりという地域も少なくない情況となってきた。同一地域内における外来種タンポポの分布拡大と、在来種タンポポの減少は、在来種から外来種へと種が交代していくように見える。本書では、この交代現象の実態を明らかにし、その原因をタンポポという植物自体の特性と、生育環境、とりわけ人間の関与した生育地特性との関係からとらえている。
目次
第1章 在来種と外来種
第2章 南関東におけるタンポポ調査
第3章 タンポポの生える場所
第4章 10年後の調査から
第5章 タンポポの季節
第6章 生き残り作戦
第7章 交代現象のシナリオと残された課題
付章1 タンポポ調査の調査票と手順
付章2 土地利用形態別タンポポの出現状況
著者等紹介
小川潔[オガワキヨシ]
1947年東京都生まれ。東京大学理学部卒業。同大学院を経て、現在、東京学芸大学教育学部助教授。学生時代から、自然保護運動および自然観察会を中心とする環境教育と、生態・自然史研究と、二足のわらじをはいてきた。「しのばず自然観察会」代表幹事。東京学芸大学では、学部の環境教育専攻と、大学院の総合教育開発専攻(環境教育コース)および理科教育専攻(生命科学分野)を担当。著書に『たんぽぽさいた』(新日本出版社)、『環境教育概論』(分筆、培風館)、『新・環境科学への扉』(分筆、有斐閣)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。