内容説明
最底辺に位置づけられ賎民として捉えられた人々が、社会構造の変容の中でどのように存在していったのか。著者は「東大寺奴婢帳」や「観世音寺奴婢帳」等、八世紀の資料をもとにその実態を克明に追い、最下層の視点から社会全体の解明をはかる。
目次
序章 賎民史研究の視角(賎民史研究の捉え方と課題;日本古代の奴婢について―“家人的形態”ということ)
第1章 東大寺奴婢帳の研究(官奴司の東大寺への貢進;東大寺の奴婢集積―諸国買取貢進奴婢と寺家買取奴婢;大宅朝臣可是麻呂の貢賎について)
第2章 地方における賎民の展開(戸籍・計帳に見る大規模家族の奴婢集積;古代村落における階層分化についての一考察;観世音寺の奴婢について)
終章 日本古代の賎民
著者等紹介
磯村幸男[イソムラユキオ]
1948年愛知県に生まれる。1972年北海道大学文学部史学科卒業、福岡県教育庁文化課技術職員(歴史)。1997年文化庁文化財調査官。2002年文化庁主任文化財調査官。2006年福岡県教育庁文化財保護課長。現在、福岡県世界遺産登録推進室参事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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