内容説明
山岳信仰にかかわる遺跡は近年、研究対象として注目されるようになってきた。本書では、その研究の先駆けとなった山の考古学研究会が、最新の研究動向を踏まえつつ実地踏査の成果を豊富に盛り込み、「山」の考古学研究における基盤の確立をめざす。
目次
第1部 考古学と山の信仰(宗教遺跡としての大宰府宝満山;葛城山についての一考察;古代の山寺の実像―南法華寺を例に;大悲山峰定寺と西念;新潟県妙高市猪野山木曽御嶽信仰の滝行場と石造物;伊豆熱海向山周辺の遺跡―熱海市下多賀神社経塚出土資料;赤城山をめぐる信仰遺跡と遺物;日光男体山頂遺跡の成立時期とその性格―研究史の検討を通して)
第2部 山岳信仰をめぐる諸論考(沖縄民俗にみるヤマ(山)とミネ(嶺)
宝満山―大宰府鎮護の山
古代出雲の岩屋信仰
飛鳥時代の廃仏毀釈―唐武宗期との比較を通して
「大峯(峰)」考
山岳信仰遺跡の火打金
比叡山の開山と初期延暦寺の遺物
白山長滝神鳩入峰と宿遺跡
甲斐金峰山よ金桜神社
中世の伊豆・箱根・富士と修験
天台山巡礼と雷峰塔)
付編 山の考古学研究会の足跡と展望2