内容説明
新進の研究者を結集して過去・現在の研究成果を検証し、将来的展望をみすえつつ縄文研究の新地平を探る。
目次
1 総論(縄文時代概念の基本的問題)
2 歴史観の学史的検討(縄文時代観の形成;縄文文化と日本文化)
3 時代区分の問題(縄文時代の開始―「草創期」再考;縄文時代の終末;縄文文化の段階区分)
4 縄文文化の相対化(縄文文化と東アジア;縄文文化と東北アジア;縄文文化の東と西;続縄文文化と縄文文化;南島文化と縄文文化;世界の狩猟採集民研究からみた縄文文化―とくに北米考古学の視点から;東南アジア先史社会研究と縄文時代研究との接点―縄文と弥生の移行期のできごと;縄文文化とアイヌ文化;縄文文化と北米北西海岸民文化)
著者等紹介
小杉康[コスギヤスシ]
1959年生。現在、北海道大学大学院文学研究科教授
谷口康浩[タニグチヤスヒロ]
1960年生。現在、國學院大學文学部准教授
西田泰民[ニシダヤスタミ]
1959年生。現在、新潟県立歴史博物館
水ノ江和同[ミズノエカズトモ]
1962年生。現在、文化庁文化財部記念物課・文化財調査官
矢野健一[ヤノケンイチ]
1959年生。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐藤一臣
7
縄文文化を概観したシリーズの第1巻。縄文文化研究の全体像を言及しているので、細かいところの解説が省略されているので十分な理解は出来なかったが、それでいいんです。だって、あと11巻あるからね。興味を惹いたのは、所謂縄文ブームは、素晴らしい文化だという仮定解釈が先走っているという点。文字史料のない文化だから、解釈をいいようにできるし学界の中でも固定された文化観は確立してない。特に面白そうと思ったのは、4章にある縄文文化の相対化⑦で、狩猟採集社会と農耕社会との並存時期の推移について。農耕社会はなぜ生まれたか?2021/06/06