内容説明
高野山の奥の院に生身を蔵して入定するという空海入定信仰は11世紀初頭に形成され、それは院政期に至って高野山納骨霊場という世俗信仰へと拡大した。現在も日本の惣菩提所として広く民間の信仰をあつめる高野山を歴史的・民俗学的に解明する。
目次
第1章 入定伝説の拡大(奉見伝説の形成;「寛治年中感得記文」の流布;聖棺飛来伝説の形成)
第2章 納骨霊場としての高野山(貴族社会にみる納骨;葬送追善供養の変化)
第3章 高野山浄土をめぐる信仰の軌跡(覚鑁聖人の活動;学侶・検校の動向)
第4章 入定伝説の展開(平清盛告示伝説の形成;平氏追善と高野山)
著者等紹介
白井優子[シライユウコ]
1950年東京都に生まれる。1973年東京教育大学文学部史学科日本史学卒業。東京教育大学大学院修士課程修了、筑波大学大学院博士課程修了。現在、東京家政学院大学助教授
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