内容説明
世界歴史の中に戦争の本質を探る。不幸にして病気に倒れた著者は、「天皇制軍隊論」に着手するに至らなかったが、その序説にあたる厖大な遺稿を残した。先史時代から近代に至る『世界軍事史』である。軍事史は軍事のプロが書くものであり、軍事のプロは軍事史は戦争に勝つ技術を学ぶために軍事史を書くという日本の常識を、著者は打破った。
目次
序章 軍事史への視点
第1章 先史時代
第2章 古代(オリエント;古典古代;東アジア)
第3章 中世(東アジア;西アジア;ヨーロッパ)
第4章 近世(ヨーロッパ絶対主義期;アジアの専制諸王朝)
第5章 近代(アメリカ独立戦争;フランス革命とナポレオン;産業革命とブルジョワ軍隊;アジアへの侵略諸戦争;クリミア戦争;南北戦争;ドイツ統一戦争)
付章 侵略戦争の論理
感想・レビュー
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ヴィクトリー
4
内容的には軍事中心の通史なので、ナポレオン戦争以前の記述は若干物足りなくも感じる。 ただ、作者が戦時中に多感な時代を送ったせいか、付章においての侵略戦争に対する評価は苛烈を極める。「太平洋戦争で日本が負けた原因を物量の差に求めるものは、ベトナム戦争ではるかに国力が劣るベトナムがアメリカを退けた事をどう説明するのか」という意見はもっともである。批判の強さは時としてバランスを欠く嫌いもあるが、戦争体験からの憤りから発するものであろう。賛否はおいても拝読すべきだ。2011/06/14
四号戦車
0
付録は読む必要がありません。 朝鮮戦争を仕掛けたのは韓国側・アメリカ側としている立場の方が書いているので。2018/11/03