内容説明
人類の古典シェイクスピアの『ヴェニスの商人』を独自に読み直し、改作したウェスカー版『シャイロック』。
著者等紹介
ウェスカー,アーノルド[ウェスカー,アーノルド][Wesker,Arnold]
1932年ロンドンで生まれる。1958年『大麦入りのチキンスープ』で劇作家として登場。1960年6月から8月にかけて『大麦入りのチキンスープ』、『根っこ』、『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』が三部作としてロンドンのロイヤル・コート劇場で連続上演され、劇作家ウェスカーの名声が確立した。1960年に、ニュー・レフト運動の担い手の一人として「センター42」を設立し、活動した
竹中昌宏[タケナカマサヒロ]
1940年大阪府に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(英文専修課程)修了。中央大学名誉教授。英米演劇及びイエズス会劇専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HODGE
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なるほどな、と思ったのが例の人肉裁判の問題。アントウニオウとシャイロックは「親密な」関係であり、「友情と友情を脅かす国家(ヴェニス)の法律」を二人が嘲弄するための証文だったのだが、その証文=「規約」がシャイロックに原典とは異なるジレンマをもたらす。「規約」は確かにユダヤ人にとって不利な条件を含んでいたが、しかし一方、「規約」によって権力側の横暴を阻止しゲットーのユダヤ人の生存も守られていた。「規約」を反故にする前例を作ってはならない──そうするとすべてがなし崩しにされ、自由なヴェニス自体が崩壊してしまう。2015/12/22
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