内容説明
ソ連崩壊によりロシアの「飛び地」となると同時に、安全保障上の要衝として注目される古都カリーニングラード。揺れる現状を報告する。
目次
1 カリーニングラード概観
2 カリーニングラードをめぐるロシア・EU交渉の成果と問題点
3 カリーニングラード経済特区とその現実
4 バルト経済圏―新しいチャンス
5 ロシア・EU協力のパイロット・リージョンを目指して
著者等紹介
蓮見雄[ハスミユウ]
1960年生まれ。東京外国語大学大学院地域研究科修士課程修了後、明治大学大学院経営学研究科にて経営学を学びながら、(社)ソ連東欧貿易会ソ連東欧経済研究所(現(社)ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所)研究員として勤務。立正大学経済学部教授(EU経済、ロシア経済、比較経済)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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晴天
1
国境が開放され、本土から切り離された飛び地としての潜在力が期待されるとして、国際協業におけるノックダウン工場が集積されつつある様が紹介されている。しかし脱税、組織犯罪、密輸などの問題もあり、連邦政府からの統制とその緩和とが繰り返されてきたので、すでに過去となった執筆当時としても事業環境としては容易くなかった。これからこの地がどうなっていくのかはまったくわからないが、1990年代~2000年代にはこういう時代もあった。なお、この地は琥珀の産出量の90%を占めるというのはまったくもって意外な側面だった。2022/03/25
マーキス@ショスタコーヴィチP
0
ソ連時代は要塞都市として、全く解放されていなかったカリーニングラード。 ソ連解体によって開放都市となり、ロシアの飛び地となった。しかし、中央集権を進めるロシアと、開放政策を取るEUとの溝は埋まりそうもない。現在カリーニングラードは免税特権を認められ経済成長を遂げるものの、輸入代替型の経済成長であるため、先行きは不透明である。 2009/08/19