目次
はじめに―「ナショナリズム(民族主義)」の遺産としての音芸術
1 スメタナ―ボヘミアにおける「チェコ近代音楽」の創出(「ボヘミア楽派」の始祖スメタナの生涯(一八二四~八四)
「チェコ人」としての覚醒
「チェコ国民音楽」の指標―スメタナの理念、そして論争へ ほか)
2 ドヴォルジャーク―ロマン主義音楽における「スラヴの精神」(一九世紀チェコの国際的作曲家ドヴォルジャークの生涯(一八四一~一九〇四)
音楽家としての揺籃期―古典・ロマン派様式による初期の作品
「スラヴの音」をもとめて ほか)
3 ヤナーチェク―二〇世紀、スラヴ人のアイデンティティをもとめて(モラヴィアの民俗主義者ヤナーチェクの生涯(一八五四~一九二八)
地域的アイデンティティとしての「モラヴィア民俗主義」の音世界
民謡編曲における「モラヴィア民俗主義」の揺籃期 ほか)
おわりに―「民族の音楽」とは何か、西欧とスラヴのはざまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしださいめい
1
図書館から借りた本。クラシック音楽が好きで、特に、このチェコ出身の3者の曲が好きということもあり、手に取る。内容が難しかったけれど、作曲された時代背景を知ることにより、曲に愛情が湧く。また、評価のされかたの違いに驚く。2020/04/24
ありさと
0
それぞれの作曲家が民族的アイデンティティをなにに求め、当時、また後の聴衆がどう評価したかの比較をもとに、チェコ音楽とは如何なるものかを描いている。政治的な思想と音楽的な表現とがこの時代のチェコという地域で如何に切り離せないものであったかがよくわかる。2015/01/08