内容説明
タルコフスキー監督の映画『惑星ソラリス』など一部の例外を除き、なじみの薄いロシアのSFも、本国ではもっとも人気の高い文学ジャンルである。その歴史と現在の状況、魅力について本格的に紹介した一冊。
目次
第1章 SFと「ファンタスチカ」
第2章 再発見された作家たち
第3章 ストルガツキー兄弟の世界
第4章 現代の作家たち
第5章 ロシア・ファンタスチカをめぐる人々
著者等紹介
宮風耕治[ミヤカゼコウジ]
1977年生まれ。大阪大学文学部卒。ロシアSF翻訳家。サンクト・ペテルブルグで開催されるSF大会「ストランニク」に5年連続で参加し、現地で作家やファンたちと直に交流を深めた。2002年、遍歴者賞小賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p31xxx
12
ゴーゴリ、ブルガーコフがロシアSF史上の祖型としても見られているというのが、今後の読書の参考になる。ストルガツキーは図書館で借りたい。これを期に最近買って積んでるサハリン島も読みたい。サハリン島は近刊なので本書での紹介はないが、ifの世界を壮大に描きつついかにも現実の日常のような描写を含む、ロシア・ファンタスチカの作風を期待したい。2021/06/25
skia
3
わかりやすく、簡潔にまとめられていた。ロシアSFを紹介する書籍はほとんどないので、それだけでも価値のある作品だと思う。ただ、最後に作者と作品の年表か一覧でもあればよかった。SFをテーマにしながら、実質、小説しか扱っていないのは残念だった。2010/05/30
工藤 杳
2
ヤン・ラリーがスターリン宛に風刺作品を送りつけるというやばいエピソードで心底笑った(きっとスターリンは知らないだけ、知ったらこれを許すはずないみたいな心境だったのでは)ロシア文学の豊かなファンタスチカ的源泉。シチェドリンの「ある都市の歴史」よさそう。2016/12/16
ゐ こんかにぺ
2
なぜ風刺作品をスターリンのところに送ったのか2016/01/24
★★★★★
2
知られざる(?)ロシアSFの歴史と現状を紹介するブックレット。わかる人にとっては常識でも知らない人は全く知らない、こういうローカルな文化ってすごく好きです。ちなみに私自身は、ほとんどが聞いたことのない名前でした。世界ってのは広いものですね。2009/09/14