内容説明
国際革命家メーチニコフと彼を取り巻く日本人たちの人生を通じ、軽視されていたロシアの影響に光を当てる。
目次
第1部 日本のロシア学の恩人メーチニコフ(国際的革命家メーチニコフ;維新日本への夢;大山巌との出会い;東京外国語学校教授メーチニコフ;外国人教師二つの系譜―領事館系と亡命系)
第2部 その後の影響(コレンコとグレイ;村松愛蔵;黒野義文)
著者等紹介
渡辺雅司[ワタナベマサジ]
1945年東京生まれ。東京外国語大学教授。東京外国語大学卒業、一橋大学大学院博士課程修了。ロシア思想史専攻。最近の主要テーマ:ユーラシア主義の再検討(トルベツユイ、カルサーヴィンを中心に)
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感想・レビュー
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陽香
2
200306202016/04/03
晴天
0
明治初期におけるロシア語教師と外語学校とを軸に、ロシア語やロシア知識人の日本への影響を描く。教師も学生もクセが強い。高給を酒代にして授業をしない教師、そもそもロシア語ではない言語を話す教師などなど。中でもたまたまジュネーブで大山巌と出会い、語学を教え合った縁で来日した革命家メーチニコフの存在は大きい。学生も、後に徒歩でウラジオストックからペテルブルグまで踏破してそこで教師となる者(酒場で用心棒をしたという伝承もある)をはじめツワモノぞろい。経験上、露語は奇人揃いと知っているが、19世紀はスケールが違った。2022/10/23