内容説明
1900年代初頭、カナダに渡った日本人が野球チームを結成した。その名は「バンクーバー朝日軍」。チームの活躍は文字通りカナダ日系人の苦闘と栄光の軌跡だった。そして今、野茂が、イチローが、松井が、松坂が…ここに『サムライ野球チーム』のルーツがある。
目次
第1章 「朝日軍」誕生
第2章 カナダへの道
第3章 閉鎖社会と排斥の嵐
第4章 伝説のはじまり
第5章 小さな選手たちの偉大なベースボール
第6章 悲劇の解散
第7章 受難の終焉
著者等紹介
テッド・Y.フルモト[テッドY.フルモト]
日系カナダ人二世の父を持つ。1948年、東京生まれ。学習院大学法学部卒業。株式会社日立製作所に勤務し、2002年に独立。現在はビジネスコンサルタントとして、インド、中国、シンガポールなどアジア企業とのビジネス交流、USA、ヨーロッパとの交流、ベンチャー企業の育成などを手がけている。神奈川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
0717
10
カナダ、バンクーバーに移民した日系人はアメリカ移民同様に過酷な人種差別を受けていた。そんな中結成された野球チーム「朝日軍」は日系人の希望の星。メキメキと実力を付けて白人チームを相手に快進撃を続ける•••。著者の父はチーム創設時のエースプレイヤーで戦前日本に戻って来たが、開戦でカナダに戻れなくなり、そのまま日本で過ごしたとか。朝日軍はカナダの野球殿堂入りしているそうだ。ちっとも知らなかった。2015/02/04
eriko*
7
知らないことばかりで、勉強になった。最後、殿堂入りする場面では、なきそうになった。懸命に生きた、たくさんの人々の先に、今の生活があるんだなぁ。2015/01/04
guanben
1
戦前、カナダの野球界を席巻した日系移民チームの軌跡。映画や漫画になるくらい面白い素材だけど、この小説はぜんぜん面白くない。野球の場面に全然臨場感がないし。日系人の歴史を語るなら、アイデンティティの問題やカナダとの関係性とか、もっと深掘りしてほしい。2023/04/13
MrO
1
一気に読了。もちろん、公式の記録の残っていない時代の物語なので、試合の様子などは、インタービューをもとにした想像による構成だが、手に汗握る記述になっている。作者の、父への思いや、朝日の業績を後世に伝えていきたいという気持ちが伝わって来る。きっと、いろいろな国に出て行った日本人たちにも同じような苦労や、多くの感動的な物語があったに違いないし、いまもそうした物語が紡がれているに違いない。勇気を与えてもらえた。また、所詮アマチュアの異国のチームを、野球殿堂入りさせる決定をしたカナダ政府にも敬意を感じた。2014/12/31
ひだまりさん
0
100年も前のカナダに、日系カナダ移民でありながらもスーパースターにまで登り詰めた野球チームがあった。その名は『朝日軍』。差別や迫害、そして戦争を乗り越えても、なおも消えることのなかった彼らの野球魂、そして大和魂が本書に宿っております。野球に全く詳しくない私でも、充分に楽しめましたし、さらに『生きる勇気』ももらえました。2017/11/26