内容説明
日本の四季を色で表現しようと『はるいろ』『なついろ』と発刊してきましたが、いよいよ『あきいろ』の出番となりました。四季のなかでも一番色彩が豊富で華やかな季節です。著者が日本各地で出会ってきた感動のシーンは作品としてかなりの量になります。その中からセレクトして一冊の写真集に編集するわけですが、他の季節に比べて色彩が豊富なだけにどれを取り上げるか難しさを感じました。撮影時はその時々の感動を写しとどめているわけで、一冊の写真集を意識しているわけではありません。著者自身は派手で強烈な色は好みでないのでその種の作品は多くありませんが、なにしろ季節は秋です。初秋から晩秋にかけての日本の秋は他国では見れない素晴らしい色彩に満ちています。そんなことを考慮しての編集になりました。本書は著者が体験してきた日本の秋の様々な表情です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
152
日本で一番最初に葉を染めるのは何処だろう。朝霧立つ頃、源流のそばに映る秋影が水面に揺れる風を待つ。光沢ある針葉樹林は今もなお美しく、陽光は一息ついて穏やかに、空は静かに夜がとても近づいた。聴こえますか。夕暮れに黄金の糸を編む蜘蛛の巣の幻想。苔むした切株も色合いを増す。黄葉紅葉重なり合うざわめきを感じますか。木陰から見上げた空に輝く星はいつ放たれたのだろう。すすきの穂が青白く漆黒に浮かぶ。夜明けとともに深まるあきいろにまた出逢えるだろう。惜秋。清流の源、遥か彼方の山並みは凛として息吹を待つ。津田洋甫写真集。2022/11/13
季子
1
もうすぐ秋なので雰囲気を感じたくて、図書館で借りてみた。秋特有の寂しげで冷たい空気が漂っていて、心がひとりになりたい時に向いていると思う。静かな気持ちになれる本。2013/08/19