内容説明
ベルリンの広告代理店でコピーライターとして働く36歳のドーラは、愛犬を連れて田舎の小さな村ブラッケンに逃げてきた。表向きはロックダウンした都会から人の少ない田舎に避難したようにみえるが、本当の理由は別にある。環境問題にのめりこむパートナーとの間にはしばらく前から隔たりができていて、コロナを機に過激の度合いを増す彼の態度に辟易したドーラは、彼と距離を置くことにしたのだ。のどかな田園生活を夢見ていたドーラだが、隣人のゴートはスキンヘッドのマッチョなネオナチで、もとは空き家だったドーラの家の鍵をまだ持っていて、勝手に出入りするなど、ひと筋縄ではいかない村人たちに振りまわされることになる。ゴートは無愛想ながらドーラにベッドを作ってくれたりといろいろ親切にしてくれるが、ドーラは心情的に受け入れることができない。しかしある事をきっかけにドーラの心は変わりはじめる。
著者等紹介
ツェー,ユーリ[ツェー,ユーリ] [Zeh,Juli]
1974年、ドイツのボンに生まれる。パッサウ大学とライプツィヒ大学で法学専攻。専門は国際法。ニューヨークやクラクフにも留学している。現在はブランデンブルク州ハーフェルラントの村で暮らしている。法学博士で、2018年にブランデンブルク州憲法裁判所名誉裁判官に就任している。デビュー作『鷲と天使』(2001年)で作家活動をはじめ、これまで書いた小説は35ヵ国語に翻訳され、ヘルダーリン奨励賞(2003年)、エルンスト・トラー賞(2003年)、トーマス・マン賞(2013年)など多くの文芸賞を受賞し、本書も2021年にバイエルン書籍賞のバイエルン放送2視聴者賞に輝いている
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。シーラッハ『犯罪』で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第一位を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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星落秋風五丈原