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内容説明
「火でも焚いてみるか?」「あたし、何も持ってない。あんたは?」「あるとも」―山羊の番をする少女のもとに、どこからともなく現れた14歳の少年。風の強い丘の草地、赤い燐マッチで火を熾した二人は隣どうし寝そべり、小石なみにカチカチのチーズを炎でとろりとさせパンにぬって食べる…。夕暮れどきの情景が、香りと音をともない彩り豊かに立ち現れる(表題作「パストラル」)。規範的なフランス語と異なるスイス・ロマンドの地理に即した文学言語をもちい、恋、老い、農家のくらし、山の民話など、人間と、人間を取り巻く世界の根源的な姿を映し出す20作品。
著者等紹介
ラミュ,シャルル・フェルディナン[ラミュ,シャルルフェルディナン] [Ramuz,Charles Ferdinand]
スイス・ロマンド(スイスのフランス語圏)文学を代表する作家。1878年、ローザンヌに生まれる。ローザンヌ大学卒業後、パリに移り住み、スイスとフランスを行き来しつつ本格的な執筆活動を開始。1905年に初の長篇小説『アリーヌ』を刊行する。1914年、第一次世界大戦勃発直前に故国へ戻り、以後はローザンヌ近郊に居を定めて、規範的なフランス語と異なるスイス・ロマンドの地理に即した文学言語の創造を目指した。代表作に長篇小説『山の大いなる恐怖』『地上の美』など。1947年、ローザンヌ西郊ピュイイにて死去
笠間直穂子[カサマナオコ]
フランス語文学研究、翻訳。国学院大学文学部准教授。1972年、宮崎県串間市に生まれる。上智大学外国語学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科単位取得退学。ルーアン大学人文学部専門研究課程修了。著書に『文芸翻訳入門』(フィルムアート社、共著)、『文学とアダプテーション』(春風社、共著)など、翻訳にンディアイ『心ふさがれて』(インスクリプト、第十五回日仏翻訳文学賞)、フローベール「サランボー(抄)」(『フローベール』集英社文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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