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内容説明
特別な任務を帯びてバルセローナにやってきた二人組の宇宙人のひとり「グルブ」が、国民的ポップスターのマルタ・サンチェスの姿をまとったまま行方不明となった。そこでもう一方の宇宙人「私」は、相棒グルブを捜すためにオリバーレス公伯爵やゲイリー・クーパーなどに姿を変え街に出ることにした。やがて老夫婦の経営するバルに通うようになり、人間とふれあい、酒を楽しみ、恋もする…。オリンピック開催直前のバルセローナの活気と混沌をユーモラスに描いたSF風小説。
著者等紹介
メンドサ,エドゥアルド[メンドサ,エドゥアルド] [Mendoza,Eduardo]
1943年、スペイン、バルセローナ生まれ。1975年『サボルタ事件の真相』で作家デビュー
柳原孝敦[ヤナギハラタカアツ]
1963年、鹿児島県奄美市出身。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
93
まさかのSF設定だけど、SFというより、コメディ系の文明批評的小説かな。スペインの文化、社会情勢に詳しかったら、もっと笑えたろう。この二人組の異星人の任務が何か、不明だった。オリンピックを控えた都市は、どこの国でもわちゃわちゃするものなのね。2018/08/20
そふぃあ
30
スペイン作家エドゥアルド・メンドーサのSF風小説。バルセロナへ調査に来た宇宙人コンビのひとり、グルブがマルタ・サンチェス(日本で言うと中森明菜とか?)に化けたまま行方不明になる。主人公の「私」はグルブを探しに出るのだが、ゲイリー・クーパーや教皇に化けたり疲れて溶けたりetc.暴走を繰り返すシュールさがじわじわくる。暴走する主人公をバルセロナ市民が一向に気にする素振りが無いのは、舞台設定がオリンピック直前で、それほど当時のバルセロナはカオスな状況だった、らしいです。スペイン語圏作品にしては圧倒的読みやすさ。2016/02/14
coco
30
ミッションのため地球にやってきた宇宙人2人。でも、1人が早々に行方不明になってしまい、探す羽目に。初っ端からぶっ飛んだ展開に思わず笑ってしまった。人の生活を送ってみるものの、ズレ具合が半端なく、最初から最後までそのズレは治らない(笑)でも、人間っぽさも所々垣間見られる。ツッコミどころ満載の一冊。2016/01/11
かもめ通信
26
#はじめての海外文学 vol2フェアの1冊。1990年、オリンピック景気に沸くスペインで地元有力紙に連載されたという、思わず吹き出してしまいそうなこの小説(?)はなんと、なかなか几帳面らしい宇宙人の<私>を語り手とした、時に分単位で刻まれる詳細(?)なバルセローナ滞在記録だ。風刺はあるだろう。あるだろうけれど、そんなことは脇に置いても「バカだねえ~」「本当に馬鹿馬鹿しいよねえ~」と思わず鼻で笑ってしまう可笑しさが癖になる。一気に読むより少しずつ、ふふふっと読み進めるのがお薦め。2016/12/14
Yuuki.
18
地球にやってきた宇宙人の報告書として書かれた、小説っぽくない小説。地球人から見ると突飛な行動が淡々と書かれていて、最初はまぁまぁ面白かったけど、地球人の発言や行動もトンチンカンで、時にあまりにぶっ飛び過ぎてて私の笑いのツボにはハマらなかった。2018/04/19
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