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内容説明
身のまわりに起こりうる断片的な出来事を、子どもの純粋で明晰な視点を通し、存在することの可能性や意味を問いかける、フィンランドの作家レーナ・クルーン初邦訳の『スフィンクスか、ロボットか』『太陽の子どもたち』『明かりのもとで』3篇を収録。
著者等紹介
クルーン,レーナ[クルーン,レーナ][Krohn,Leena]
1947年、ヘルシンキに生まれる。文化人家系に育ち、大学では哲学、心理学、文学、美術史を学び、芸術家教授に就く。絵本、児童書、小説、エッセーと幅広く活躍。多数の受賞作ほか、代表作『タイナロン』はアメリカで世界幻想文学大賞候補作に、『蜜蜂の館』は北欧閣僚評議会文学賞候補作に選ばれた
末延弘子[スエノブヒロコ]
1975年、北九州に生まれる。東海大学北欧文学科卒業、国立タンペレ大学フィンランド文学専攻修士課程修了。フィンランド文学情報センター(FILI)勤務。フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
algon
13
フィンランド作家の物語。3つの話が収められているがそれぞれが掌編の集合体の話ですべて7-8歳までの女の子が主役。なので児童書と読む人もいるかもしれないが読んでいるうちにこれはむしろ哲学に分け入っていく本なのではと思い始めた。不思議な話、心温まる話が続くし、いろんな分野の雑多な話が集まっているのにおおらかで確固とした世界観は揺るぎがない。北欧文化のバックヤードに見られる肯定的な人間観に得難いきらめきを見せられたような思いがした。軽~く読んでみようと思って手に取った本が思いがけず珠玉のやさしさにあふれていた。2022/07/19
びっぐすとん
10
図書館本。初読作家さん。「はじめて出逢う世界のおはなし」シリーズ。何とも幻想的で哲学的。お父さんと娘の不思議な禅問答のようなやりとりなど、正直言えばあんまり好みの作品ではなかったが、ランプの話は北欧っぽい。フィンランドの長い長い冬、人々はきっと暗く静かな中でいろいろ思索するのかもなー、そういう時ちょっと不思議な世界が垣間見えるのかもなーと思った。2017/11/14
たびねこ
9
フィンランドの作家(哲学者でもある)の作品。子どもの目を通して、大人には見えない世界、見失った世界が書かれている。宇宙、科学、不条理が入り交じったファンタジー、日本だと谷川俊太郎の作風が思い浮かぶ。2017/10/21
ののまる
6
なんてオーガニックな子どもたち!!2019/07/22
刳森伸一
4
3つの連作短篇が収められている。いずれも子供向けの童話的な物語だが、巧みに哲学的な思索へと子供を誘うように工夫されていて、大人も考えさせられる話題も多い。個人的には、表題作の最後の短篇が最もよく、心に残る作品となった。2022/11/19