目次
1 お話について
2 お話のたのしみを子どもたちに
著者等紹介
松岡享子[マツオカキョウコ]
1935年、神戸市生まれ。神戸女学院大学文学部英文学科、慶應義塾大学文学部図書館学科を卒業。米国、ウェスタン・ミシガン大学大学院で児童図書館学を学んだのち、ボルティモア市のイーノック・プラット公共図書館に勤務。帰国後、大阪市立図書館勤務をへて、家庭文庫「松の実文庫」を開く。1974年に石井桃子氏らと財団法人東京子ども図書館を設立、2015年6月まで同館理事長。その後、名誉理事長。絵本、児童文学の創作、翻訳を多数手がける。2022年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さく
13
人は、自分の人生を作り上げていくために、物語が必要なのだ。他人の生き方も、全て、物語。けれど、他人という物語は、複雑で、子どもには理解しにくいから、文学的な物語が、子どもには必要だ。そんな、松岡さんの主張が、面白いなと思いました。自死を選んでしまった人と物語の関係の考察も興味深かったです。物語を読むことと、誰かが語るのを聞くことの違いについても書かれています。読むのは知ることにすぎないけど、聞くことは体験である。うーん。私は語られるより読む方が自分のペースで読めて楽しいけどなー。2025/02/24
のんたろう
4
1984年に行われた松岡享子さんの講演を2つおさめたもので、どちらも「お話」について語られている。ひとが生きていくうえで、どうして物語が必要なのか。それはだれもが「自分という物語を生きるために、自分以外の人の物語を必要としている」から。子どもたちが物語を必要としているのは、「子どもたちがこれから自分の物語をつくっていかなければならない人たちだから」。子どもたちが、たくさんのお話に出会えますように。2024/02/23
たかぴ
3
三宅さんの「なぜ働いている本が〜」を読了後なので幾つかの共通点を見つけた。音読の大切さや現代人が読書に時間を割り当て難い点も課題として。2024/10/06
あんこちゃん
1
新装版が出ていたので昨年末購入したままだった。尊敬する松岡氏の声が聞こえるような気がした。読みながら震えた。ああ、だから物語は必要なのだ。ああ、だから昔話なのだ。そして、人の声で語らねばならないのだ。 ネット時代に生まれた人たちへ本当の声を届けることができるだろうか。2024/02/21
さいのめ
0
子供に肉声で物語を゙語ることが身体に触れるスキンシップと同等だとの言葉に目から鱗だった。子供の頃から黙読で活字を読んでてしまうことの危うさ。活字でのコミュニケーションが損なうもの。昔話を゙読み継ぐ意味は、口伝で語り手と聞き手の双方向で育てられた人が求める物語だからという話。物語を何故人間が求めるのか。また、再読したい。2024/06/02