内容説明
「東奥文学賞」は東奥日報創刊120周年を記念して、2008年創設、青森県内在住者または青森県出身者を対象に、前途有為な新人を発掘・育成し、青森県から文学作品を発信することを目指しています。第5回は、県内外から48編の作品が寄せられました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岩巳岳雄(Takeo Iwami/leas201903)
1
作者はとてもいい先生なんだろうと思う。田舎らしい、素朴で綺麗な話。ただ、この物語が人間の姿をどれほど映し出しているかというと……うーん。小説には、人間の奥底の得体の知れない、名付けられないままのどろどろとした思いを、素手でもぎ取って曝してみせるような役割があると思う。現代の教育現場でこんなに綺麗な解決を迎えられるケースは例外的なんじゃないのかなあ。何にせよ、こういう作品を書く先生がいることは、県民としては間違いなく幸せではある。そしてそれは、読者として幸せであることを必ずしも意味しない。2021/05/08