内容説明
舞台裏を見てきた男が語る知られざる国家戦略の全貌。
目次
第1章 政治不在・行政主導のエネルギー規制改革(中西・経団連会長発言の真意;実は「脱原発」の安倍政権 ほか)
第2章 平成のエネルギー政策はなぜ迷走を続けたのか(原子力編;再生可能エネルギー編 ほか)
第3章 平成のエネルギー失策の構造(エネルギーは票にならない?;存在しなかったエネルギー外交 ほか)
第4章 実は革新的な第5次エネルギー基本計画(従来型から脱却した第5次計画;4次元で考える非連続の技術開発 ほか)
第5章 令和時代のエネルギー政策かくあるべし!(人気取りで原子力から逃げる安倍政権;エネルギーの自立こそ国家の独立である ほか)
著者等紹介
福島伸享[フクシマノブユキ]
1970年生まれ。茨城大学教育学部附属中学校、水戸第一高校、鎌倉高校などを経て東京大学農学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。資源エネルギー庁において、電力・ガスの自由化や原子力立地、科学技術庁(現・文部科学省)に出向して原子力災害対策特別措置法の立案などに従事。東京財団研究部ディレクター、学習院女子大学大学院非常勤講師、筑波大学客員教授などを歴任。衆議院議員2期ののち、現在浪人中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Lloro
3
過去の残念で中途半端な日本のエネルギー政策について書かれている。筆者もそういう政策に携わるような内側の人で内情を暴いている。国には後半に書かれているような未来を見据えた政策を進めてもらいたい。2021/03/08
y_u
3
タイトル以上に中身が非常に良い。経産省、業界、政治の三方面から、95年以降の日本のエネルギー政策を評価し、筆者の将来像を示しており、大変参考になった。未完の技術を前提とした原子力政策がなぜ生まれたのか、業界内のもたれあい、官僚の怠慢、政治の無関心といった責任不在の構図を明らかにしている。また、「腐ったミカン理論」のもと、革新的な経産官僚は、財界の中心を担いながら、保身的なエネルギー業界を日本経済の癌と捉えているようだ。中枢部でこのような思想があることのは驚きだが、エネルギーに関わる人にとって必須の一冊。2020/05/19
Tomonori Yonezawa
1
【地元図書館】自分がリクエスト。著者は、落選中だが政治家として割と注目。最近の動きにはちと疑問符。全5章、3章までは昭和〜平成までのエネルギー政策について。かなり平易に書かれており勉強になるかな。但し、嘘(誤認)が混じってると思った。4章、第5次エネルギー基本計画について。この見立ては中々面白く、この本に価値を持たせてる。5章、令和のエネルギー政策(自分の夢)…何コレ。市議レベルならアリ位。 読了後、俺の著者に対する見立ては『頭ん中先行タイプ、国会議員としては票を入れるに値しない人。」2020/02/15
okadaisuk8
0
元エネ庁職員ということもあり、これまでのエネルギー政策の無策ぶりについて分かりやすく説く。安倍政権が実は世間が思うほど原子力推進でもないというか、むしろ放置することで死に追いやっているという解釈も大きくうなずいた。評判が悪い最新のエネルギー基本計画への意外な高評価も発見だった。一方、原子力産業への期待が持続していることには違和感。イデオロギックな反原発論には与しないつもりだが、筆者が主張する通り技術競争を基本は市場の選択に委ねようということであれば、ますます原子力は衰退産業と見る方が自然な気がするが… 2020/08/21