内容説明
「リスコミ」って何？何となくわかっているようで、実は理解されていない本質。
目次
第１章 リスコミから見た原発事故
第２章 食品と水をめぐる混乱
第３章 クライシスコミュニケーションとは何か
第４章 リスクコミュニケーション（平時の対応）
第５章 リスコミでよく見られる誤解
第６章 メディアとリスク増幅
第７章 だから発がん報道は繰り返される
第８章 科学者はリスクコミュニケーションにどうかかわるべきか
第９章 企業のリスクコミュニケーションの問題
第１０章 どうすればよいのでしょうか：リスコミの実践へ
著者等紹介
西澤真理子［ニシザワマリコ］
上智大学外国語学部ドイツ語学科卒。英国ランカスター大学環境政策修士号、インペリアルカレッジ・ロンドンでリスク政策とコミュニケーション（ＰｈＤ）博士号を取得。英独にて１０年間の研究生活を経て帰国。現在、リテラジャパン代表。シュトゥットガルト大学環境技術社会学科研究フェロー、ビジネス・ブレークスルー大学院大学ティーチングスタッフ、東京大学農学部非常勤講師を兼任。専門はリスク政策とリスクコミュニケーション（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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kitten
7
図書館本。西澤さんのお名前に聞き覚えがあった。確か、コロナの専門家会議でリスクコミュニケーション担当で参加していたと思う。この本は、リスクコミュニケーションについて、主に東日本大震災後の原発事故での失敗を教訓に書かれている。今回のコロナ禍では、少なくとも西澤さんが入っている分だけ、原発事故の時よりもマシだったかもしれないが、インフォデミックの問題が追加されている分難しいところもあった。結果的に見て、比較的成功したんじゃないかな、と思う。科学者がわかりやすい言葉で伝えることが大事。2023/04/30
tolucky1962
5
リスクコミュニケーション、最近耳にする言葉ですが、なかなか専門に書かれた本が見当たらず探してたところたまたま見つけました。（コミュニケーション系の本がもっと整理されるところが望まれます。）安全を安心にするには信頼が必要。信頼のためにリスコミが必要。平時にできないことは緊急時にもできない。福島の話をはじめ様々な例をあげ、専門に研究してきた著者の経験が語られる良本です。事業者・消費者双方にリスクの取り方を考えるためにこの分野のさらなる発展が望まれます。2014/10/24
Moloko
4
リスクとベネフィットの釣り合いが大事であって、リスクを避けて何かをしないことが逆に損をしている、あるいはリスクをゼロにすることだけに関心が行ってとてつもないコストを払うこともある。安全でないものを安全だと思ってしまうことも危険ではあるし、リスクをなるべく理解することが大事だし、専門家も前提知識が乏しい人達にも分かるようにしっかり説明してほしいと思った。タカタのエアバッグも金属が飛んで危険だということで大規模リコールになったが、既存技術ではエアバッグがそもそも開かない危険もあった訳だが、世間に伝わらなかった2017/07/19
りりあん
3
リスク（危険性、可能性）とハザード（危険因子、原因物質）の違いも知らなかったけれど、それ以上に人のリスクの受け取り方、感じ方で過大視、過小視されることが多いというのが印象に残った。 普段自分がなんとなく嫌だと避けているものも、考えてみればそんなに根拠はないのかもしれない。 ｉＰＳの山中教授の言葉として、研究者はすばらしい研究と分かりやすく正確に伝えるプレゼン力の両方が必要だ、と言ったことが紹介されている。 今後、そういった研究者の方が増えて、私達にわかりやすく様々な技術やリスクについて伝えてくれると2013/12/01
種蔵珪也
2
リスクコミュニケーションとは何か、知らずに読んだけどなんとなくは分かった。実際に起こったことを例に挙げて説明しているので分かりやすかった。この場面でこういった説明しかしなかったのは問題でした、見たいなことしか書いてなくて、じゃあ実際のところどういった説明したら相手が理解してくれたと思うのかという具体的な話が見たかった感もあった。あとリスコミについては海外のほうが先行しているらしいのでしょうがないのかもしれないが、海外はこうだから日本でもこうすべき、ではなくて日本風にはこうしたらいいみないな話も見たかった。2014/10/15
