内容説明
原発なしで電力供給が出来るのか、太陽光発電、風力発電にはどこまで頼ることができるのか、その費用はいくらなのか、電力の自由化を行えば発電設備は増えて、電力料金は下がるのか、今後の温暖化対策はどうすれば良いのかなどの論点を、欧米の例にも触れながら考える。電力の安定供給を安いコストで行う魔法はなさそうだ。
目次
序章 電力料金を考える
第1章 世界を支える石炭火力発電所
第2章 知られていない日本の電力事情
第3章 将来の電力供給はどうなる
第4章 電力と地球温暖化
第5章 再生可能エネルギーへの過度の期待
著者等紹介
山本隆三[ヤマモトリュウゾウ]
富士常葉大学総合経営学部教授。1951年香川県生まれ。京都大学卒、住友商事入社。石炭部副部長、地球環境部長などを経て、2008年、プール学院大学国際文化学部教授に。2010年4月から現職。現在、地球環境産業技術研究機構(RITE)のSDシナリオワーキンググループメンバー、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術委員、国際環境経済研究所主席研究員などをつとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tolucky1962
5
最近エネルギーフォーラム新書に注目してたが残念。東電叩きへの対抗にしても酷い。真面目に書いた本なのか?日本は安定電源が必要で高コスト当然、サイクルの違いは仕方なく新規参入もダメにきまっていて欧州と違い国間融通もできないという前提。太陽風力は不足、化石は高い。節電では無意味、バンバン使わんと経済が回らないと他を否定して、だから原発だという結論には、原発推進派はこの程度か。ごみがなく絶対事故がないなら原発が良いに決まっているのに、ごみ処理や安全のコストについては全く触れていない。そりゃそんな結論になるわな。2015/08/27
Mariyudu
0
今(というか3.11以降)でこそ安易な脱原発には懐疑的な立場の俺だけど、それ以前は「東京に原発を!」とかに他愛もなく乗せられてしまったクチであった。ああ恥ずかしい… 奇しくもこの本はその広瀬氏の扇情的な著作群の不当さに端を発しているように思える。別にエネルギー政策に限ったことではないけど、著者の言うように「事実に基づく議論」か否かを常に自分で判断しながら情報に接していかねばな。2016/04/03
pitch
0
エネルギーの専門家による脱原発検証本。分かりやすいし、いちいち納得がいく。日本では斜陽産業の代名詞みたいな石炭が、世界的にはまだこんなに重要だとは知らなかった。自然エネルギーが一般に思われているほど都合のいいエネルギー源でないってこともよくわかった。巻末の広瀬某に対するツッコミが秀逸。2012/04/13