内容説明
事故原因の76%がヒューマンエラー。事故は企業の社会的信用を奪う、安全確保は経営責任の時代。
目次
第1章 今、求められるメンテナンス構造改革(メンテナンス構造改革で老朽化設備は救われる;「プラント版2007年問題」に覆われる装置産業;経済産業省「産業事故調査結果の中間取りまとめ」が浮かび上がらせる現実;危機を救う「サイエンスとしてのメンテナンス」)
第2章 工場はなぜ燃えたか?(事故からのメッセージ;安全文化の不在により引き起こされたJCO臨海事故;伝統ある工場で何が起こったのか?―旭化成延岡レオナ工場火災事故 ほか)
第3章 メンテナンスビジネス最前線(31兆円、メンテナンス市場は「宝の山」;民営化が火をつけた欧米のO&M;ITはメンテナンスを救うか;メーカーとしてのメンテナンスを追究する、プラントメーカーとエンジニアリング企業;「操業ノウハウの商品化」でビジネスチャンス;「人はミスを犯す」を前提に、ヒューマンエラー対策ビジネスが静かなブーム)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_ユル活動
40
既存プラントのメンテナンスの意義と重要性を説く。これから技術伝承・効率化・老朽化の課題がある。機器のメンテナンス業務には経営者が不在で現場任せ。現場で起こる事故や火災の多くはヒューマンエラーとしているが本当にそうなのか。日本での実事故例とその原因。世界のメンテナンス企業の紹介。2005年の著。 2014/06/01
Satoshi
1
日本においてメンテナンスが軽く見られており、保守費はただのコストと考えられている。これにより、現場力が下がり事故が発生する。本書は福島第一の原発事故の前に書かれたものであるが、それを予見しているように見える。保守・設備管理とは資産管理であり、もっと重んじられていいという意見には賛同できる。2015/08/18
ぱぱみんと
0
とりあげられているのは、主として製造業などハードの分野の企業が中心ですが、官公庁や教育などソフトの分野の組織にも、危機管理について有益なヒントを与えてくれそうです。☆ちなみに私は教員ですが、第1章は参考になりました。