感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
7
2014年刊。豊臣氏周辺で制作享受された絵画特集。伏見城を大きく細緻に描く名古屋市博2010年新出『洛中洛外図屏風』(個人蔵)について、豊臣大坂城を描いた一隻とペアだった可能性が語られる。当該作品を洛中洛外図というより「伏見図」の性格とする評価も面白い。また洛中洛外図の第二類型成立前に、伏見城・大坂城を主題とした作品群も想定されて、どうやら徳川政権は豊臣の都市を描いた作品群を抹消してしまったようだとも。その他『吉野花見図屏風』も含めて、豊臣秀吉・秀頼の二代を描いた時代の一端がうかがえる優れた特集だった。 2022/02/15