内容説明
昭和23年11月12日、A級戦犯25名に対して絞首刑をふくむ有罪判決が下された。その日「陛下は眼を泣き腫らして、真っ赤な顔をしておられた」(村井宮内官)。この判決によって天皇の戦争責任は幕を閉じ、以来60年天皇は象徴として君臨してきた。「いったい昭和天皇とは私たちにとっていかなる存在なのか」―本書は幼少期からの人間形成から敗戦にいたる天皇の実像に迫る画期的著作である。
目次
第1章 「昭和天皇単独会見」秘話(細川隆元単独会見に成功;ご質素な日常生活 ほか)
第2章 昭和天皇の帝王教育と人間形成―私の追想も交えて(三人の師;陽明学と乃木希典 ほか)
第3章 昭和天皇苦悩の源泉(良子皇后のこと;聖断を阻んだ西園寺公望の立憲君主論 ほか)
第4章 昭和天皇と戦争責任(天皇の軍隊の本質;市民兵たちの死 ほか)
著者等紹介
高瀬広居[タカセヒロイ]
哲学者、評論家、拓殖大学客員教授(専攻、仏教哲学。比較文化論)。1927年、東京・浄土宗寺院に生まれ、43年、僧侶の資格を取得。法号「自照庵疏石」。早稲田大学文学部卒業後、NHKプロデューサーを経て、ニュースキャスター、ラジオ関東(現・ラジオ日本)常務取締役、放送批評懇談会理事長、拓殖大学理事などを歴任。講和塾「全国・疏石会」を主宰し講演や評論活動。執筆活動等で日本経済新聞経済図書文化賞、サントリー学芸賞、芸術祭賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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