内容説明
本来、私たちの日々の生活は、憲法の規定どおりになっていなければならないはずである。もし、私たちの日常が憲法の規定に反しているのであれば、法で治められている国の在り方が崩されているということなのである。それを点検するためにも、日本国憲法が施行された直後に文部省から出版された、『あたらしい憲法のはなし』そして『民主主義』という、二つの書物を、21世紀のいま読みなおしてみる意味がある。
目次
1 あたらしい憲法のはなし
2 民主主義(民主主義の本質;選挙権;多数決;社会生活における民主主義;日本における民主主義の歴史;新憲法に現れた民主主義;国際生活における民主主義;民主主義のもたらすもの)
2 資料
著者等紹介
小森陽一[コモリヨウイチ]
東京大学教授、「9条の会」事務局長
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感想・レビュー
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niisun
19
高橋源一郎氏の『丘の上のバカ』で紹介されていて興味を持ち手にとりました。“あたらしい憲法のはなし”は中1、“民主主義”は中高生向けということですが、不勉強なおじさんにはちょうど良いレベルでした(笑) 文中「民主主義が重んずる自由の中でもとりわけ重要な意味を持つのは言論の自由」で「新聞は事実を書き、ラジオは事実を伝える責任がある」とあるが、amazon創設者ジェフ・ベゾスが買収したワシントン・ポストの新しいスローガン“Democracy Dies in Darkness”からもその実現の難しさを感じました。2017/08/26
ふみ
14
実は原版で読んでます。祖父母のどちらかが←当時は小学生?学校でもらってきたらしき、ザラ紙印刷。時代の空気がすかすがしかった。同じ国に生まれ育っているとは思えないのが悲しい。
がんぞ
1
「みなさんのお父さん、お兄さんにも戦争に行った方があるでしょう」に胸を衝かれる。解説の小森陽一は9条の会と前文の精神を言うが、本文中の「多数意見は間違っていることが少ない」とは自由討論の上の意見形成か。徴兵に応じた者は命を捧げ、意志を表明したと言えまいか。戦禍を反省し新憲法を作るが天皇について前文は言わない。昭和天皇は復興を見届け、対米開戦について冷静に検討できる時期まで在位した。中国の露骨な侵略表明も相俟って世論で改憲が多数意見であるのに小森は従うつもりはない理不尽。『戦争は相手国の憲法を変える為』だが2013/11/26
とらやん
1
改憲が騒がれているので、改めて憲法本文と共に読んでみました。 それにしても、なんという理想主義で、 そして痛々しいほど希望に満ちている文章でしょう。 これが書かれたのは、敗戦間近の焼け野原のなにも無い頃で、 だからこそこういう覚悟ある文章が書けたのでしょうね。 おろそかにしてはいけないと、感じました。 ところで、読んでて思ったんですけど、 会社って、民主主義とは正反対にある組織ですね。 う〜ん。2013/09/22
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