内容説明
永遠の少女が夢見た恋愛の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
47
「火の唇と炎の舌とで私の全身を焼き爛らせる。隈なく全身を蔽ふ愛恋の接吻が、私の身も魂までも焼きつくすのだ」ダンテが『新生』において記した、恋人の心臓を食べずにはいられないほどの、神聖さと生々しい欲動に駆られた、野溝七生子の愛の告白。その現実の生涯に反して血のほとばしるような愛の深淵を描いたE・ブロンテにも通じるところがあるかもしれない。「この記録は実に只一つの夢にすぎないであらう…私の血は、心臓でなく頭脳で燃えるのだ、まだ私の心臓は少しも、痛みも感じていない。それだのにこの髪の燃えることよ、燃えることよ」2017/09/12
いやしの本棚
11
性愛をも夢の出来事として描写することで、著者を「半処女」としてしまう。ピエールに妻子があり「私のもの」になり得ないことで、恋愛が永遠のものになるという、少女が見た美しい夢の文学。他者に読まれることも想定して書かれたフィクションの部分も多いのでは?恋愛を、性愛を?描いているようにみせてどこまでも、どこまでも野溝七生子は「人間嫌ひ」なのだ。決して自分のものにはならないピエールは、実在していたのかもしれないけれど、少女が夢見た幻の人に違いない。きっと、自分のものになどしたくなかったのだ。2017/06/30
孤伏澤つたゐ
0
もう一度明日、読み返す。2011/12/08
lovejoy
0
★★2024/12/16
♋︎
0
「その歯を以つて彼の名前を記せよ」2020/10/17