内容説明
昭和十三年に発表された『幻談』をはじめ、釣り好きだった幸田露伴は、釣りを題材にした名作も数多く残した。ところが、明治の文豪の著だけに、口語文とはいえ非常に難解で、とても現在の我々が読むことができるものではない。本書は、その露伴の名作を誰でも楽に読める現代語に訳して収録した。露伴が誘う―古きよき釣りの世界。
目次
小説・幻談
小説・芦声
紀行・鼠頭魚釣り
紀行・雨の釣
紀行・夜の隅田川
紀行・金の鈴―「スズキ釣り」と「スズキの味覚」
紀行・かいづ釣りの記
考証・鰉
考証・水の東京
考証・游魚の説―石井氏釣書に題す〔ほか〕
著者等紹介
幸田露伴[コウダロハン]
1867・8・22~1947・7・30(慶応3年~昭和22年)。明治以降の日本文学界を代表する作家。江戸(東京)下谷の生まれで、本名は成行。尾崎紅葉と明治時代の小説界の人気を二分し、夏目漱石、森鴎外などとともに日本文壇の重鎮といわれる。晩年の作品として、『幻談』(昭和13年)は露伴の小説として圧巻。昭和12年に第1回文化勲章を受賞
木島佐一[キジマサイチ]
1941年、東京都武蔵野市に生まれる。国学院大学国文科卒。作家・中村真一郎秘書。マスコミ関係の専門学校講師・短大講師を経て、長く代々木ゼミナールで教鞭を執る。国文学者。教育評論家。現在、大学受験国語専門塾・野川塾を主催。日本友釣同好会会員、日本渓魚会会員
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