目次
ネアンデルタール人の心をのぞく
「文明」の誕生を「地球」の上から眺めると
ファラオの呪いの正体は
古代民主政をになった人々
ヘロドトスとトゥキュディデス
『オイディプス王』のラストシーン
ローマ皇帝たちの乱痴気
歴史のなかのイエスを探す
「ローマの平和」とは何だったのか
ブッダの「犀の角」、ウパニシャッドの「心臓の光」〔ほか〕
著者等紹介
小川幸司[オガワコウジ]
1966年生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。長野県の県立高等学校の教員となり、豊科高等学校・松本深志高等学校・松川高等学校を経て、現在は長野県飯田高等学校教諭。NHK文化センター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんがく
13
暗記中心の世界史から脱却するという、あとがきで書かれた方針をもとに、時代ごとの講義が原始~中世まで載せられている。歴史家の視点、史料の分析、現代との繋がりなどが重視された構成になっており、歴史に対して広く深い視野を手に入れることができた。特に文明誕生、中世封建社会などの大きな歴史を扱った章は面白い。ちょっとした逸話などは授業でもすぐに使えそう。2022/08/10
読書実践家
12
素晴らしい本に出会った。中下巻も読みたい。高校教師としてどんな授業をされていたのか。深淵な知識はその時代、その国に生きているような感覚を提供する。日本史でいう半藤一利さんの語り口と世界に似ていると思った。世界史は大量の読書を必要とすると思う。世界との付き合い方、西洋至上主義の価値観の転換こそが世界史の面白いところではないだろうか。2015/09/12
MrO
4
おもしろい。こんな授業を受けられる高校生は幸せだと思うが、日本中のかなりの教室において、大学入試のためと称した、実は教える側の怠慢を正当化する論理で、暗記科目としての世界史が行われているんだろう。でも、そんな不幸を嘆く必要はない。だって、こんな立派な本が出ているのだから、これを読めばいいだけだ。暗記も少しは楽しくなってくるに違いない。2018/04/29
新父帰る
4
著者は現役の高校の歴史の教師である。本書はかなり自由奔放に歴史を綴り、批評している。その時代の代表的な人物と著書を取り上げながら、時代背景を説明し、批評するといったスタンスだ。各項には、参考文献を掲載し、読者に便宜をはかってている。(上)は全部で24講。私的には、13講の匈奴、17講の敦煌、19講のコーラン、20講のイブン・ハルドゥーンの歴史理論、24講のジャンヌ・ダルクが面白かった。10講のブッダの記述は少し物足りなかった。著者の批評に重点が置かれ、他者の比較が少なかったという印象だ。2017/02/21
(ま)
3
新岩波講座世界歴史シリーズで話題になった高校教師の世界史講座上巻 事実・事件と解釈と批評と 複眼的な視点で歴史の膨らみや潤いを愉しく2022/06/01