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内容説明
バイオリンを思う存分弾きたい!その一念で著者の父、窪田一郎は、戦時下の昭和一八年、一七歳で満州に渡った。しかし、待っていたのはシベリア抑留という過酷な現実。捕虜生活が長引くなか、一郎は廃材を集めてこっそりバイオリンをつくりはじめる。それをきっかけに、収容所の中で楽団が、続いて劇団が生まれ、やがて一郎たちは日本向け短波ラジオで演奏することに…実話に基づいた珠玉の物語。
目次
プロローグ―めぐり逢い
第1章 音楽を追いかけて
第2章 関東軍そして終戦
第3章 コムソモリスク第二収容所
第4章 仲間たちの壁新聞
第5章 楽団アカツキと劇団アガニョーク
第6章 はるかなる日本へ
エピローグ―時を超えて
著者等紹介
窪田由佳子[クボタユカコ]
1955年、静岡市生まれ。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1981~82年、ドイツ、ケルンに留学。1983~87年、バレエ・コレペティとして六本木スタジオ一番街等に所属。1992~2017年、常葉大学に非常勤講師として勤務。静岡県文学連盟所属。現在、OZAWA MUSICにてピアノの指導の傍ら、演奏活動もおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
25
新宿の平和祈念展示資料館の企画展示「極限下のエンターテイメント シベリア抑留者の娯楽と文化活動」で知った本の一冊その2。娘による父の抑留体験記録。こちらも『シベリアのトランペット』と同様、(ただし別の)収容所で結成された楽団、劇団で活躍した人の話だが、本人ではないこともあって、あっさりとした記述で、詳細はわからない。ただ、著者の父が、木材や金属線、本物の馬の毛から手作りでバイオリンを製作したという逸話が面白い。残念ながらそのバイオリンは持って帰れなかったらしいが。2024/08/10
ソバージュ
7
静岡県の本屋にて、薄い書籍だがタイトルに吸い寄せられるように手にとる。著者の父親のハバロフスクより北方の収容所での抑留に基づいた物語。残虐で過酷な状況下に耐えながら自らバイオリンを作り、捕虜たちと楽団と劇団を結成し演劇会を行う。劇中で歌われた曲の楽譜が巻末に添付されているが、口ずさむにも胸が詰まり歌い進められない。2020/02/05
Ai Camo
2
薄い本ながら情報が多く、戦争に行った気分になるほどに生々しく記してある。寒い彼の地で未だに眠る日本人に想いを馳せて読了です。2020/05/21
you
0
シベリア抑留。関連の本も読んでみたくなった。2023/03/01