内容説明
あなたは―心の奥を掘り起こされてみますか?ほっこりとした気持ちになりますか?それとも、自身の人生を見直しますか?百姓暮らしの豊かさを追究してきた哲学者が初めて書き下ろした異色の短編集!
著者等紹介
筧次郎[カケイジロウ]
昭和22年、茨城県水戸市生まれ。百姓、哲学者。京都大学卒業後、パリ第一・第三大学で哲学・言語学を学ぶ。花園大学講師を経て、自らの思想を実践するために、昭和58年より筑波山麓で百姓暮らしを始める。平成14年、スワラジ学園の設立に参加し、平成18年まで学園長を務め、現在は、提携組織「スワデシの会」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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su-zu
4
百姓であり哲学者である著者の初の短編集。とても滋味あふれる味わい。表題作は幼いころの病で聴覚を失った重助とその家族の物語。きれいごとではない障碍者との生活を温かい眼差しで描いている。重助の命に対する澄みきったまっすぐな優しさにグサッときた。他にも宮沢賢治的な(表面上の分かりやすさの中に社会に対する強い主張が隠れている)短編が収録されている。テーマは短編によって障碍・仏教(殺生と生)・環境と未来につたえるべきもの・放射能汚染・人とはと様々。一貫しているのは理屈よりも心で語っているところ。心に沁みる本だ。2017/07/31