内容説明
孔子は社会意識を語り、老子は宇宙意識を語る。やさしく心に響く老子自由訳決定版。
著者等紹介
加島祥造[カジマショウゾウ]
大正12年1月、東京・神田生まれ。89歳。早稲田大英文科卒。米カリフォルニア州クレアモント大学院に留学。帰国後、信州大、横浜国大などで英文学を教える一方、多くの英米文学の翻訳を手掛けた。約20年前から長野・伊那谷に独居(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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玖良やまだ
12
日本の中国古典学者が訳した「老子」は難解だ。西洋で訳された「老子」を和訳したこの本の方が理解し易い。加島老子は、第3段となるが、少しずつ訳が変化している。2021/10/14
paluko
9
平易な文章で、しかも「エナジー」「パワー」「Re-turn」などの片仮名・英語を自由に使いルビも活用していく、訳者三度目の『老子道徳経』日本語訳。語りかけるような文体。「濁った水みたいであり濁ったままゆったりしているからいつしか澄んでいく――そういうあり方なんだ。安らかにくつろいでいるくせにいつの間にか動いていて、何かを生み出している」(43-44頁)、「じっさい、損得に頭を使わないで素朴な自分に帰ると心配や憂鬱がどんどん薄らぐよ」(53頁)。どこを開いても、何だかほっとする本。2023/09/19
SIGERU
6
中国の古典も永年の懸案だったが、まず「老子」を現代語訳で。老子は実在の人物だが、書そのものは前4世紀から2世紀のあいだに徐々に纏められたものらしい。同時代の孔子や荘子に比しても詩的、哲学的かつ観念的。劈頭いきなり「これが道(タオ)だ、と云ったって、それは本当の道じゃないんだ。なぜなら、名づける向こうに名のない領域が無限に拡がっているからだ」という深遠な宣言から始まる。読み手は韜晦され眩惑される。だがそこがいい。語りくちは訥訥ながら、寸鉄人を刺す鋭さがある。友人にしたら辟易させられるタイプだろう。2017/01/28
Carlos
3
やっぱり、老子の考え方が一番好きだ。2014/07/29
とらやん
2
父権性のつよい孔子に対して、老子は母性的と言えるかもしれません。 柔らかく弱いものの力を説いています。 優しさと中庸、そして共存を重視してて、 今の日本人にあってるような気がします。 それに漢文訳ではなく、分かりやすい口語訳で、 まるで老子が、直接語りかけてきてくれてるようでした。 ちゃんと理解してるかは不明ですが、 その時その時の心の動きで、受け取っていけば良いような気がします。 そんな鷹揚さが、老子にはあるのではないでしょうか。 老子は優しいねえ。2013/11/22
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