内容説明
蹄耕法とは、ブルドーザーなどの機械力を使わず、家畜を利用した牧畜における草地造成技術のこと。牛が歩くと雑草や笹が退化し、牧草地が広がる。仕事は半分、あとは牛まかせ。近代化に背を向け、厳しい環境を逆手にとった工夫の数々が、北海道の山奥に美しい牧場を生んだ。自然こそが財産。未来の農業がここにある。
目次
山の牧場
山で気付く(開拓地に入る;発想の逆転;蹄の跡から牧草が生まれる;牛は開墾の道具;異端への賛同)
牧場を拓く(牛は山で遊ぶ;牛が牧草地を作る;草地の生態観察;人間が手をつけない)
施設を作る(ビニールハウスの牛舎;牧場のサイロは手づくり;冬の飼料作り;無駄なものはない)
技術とは何か(自然に順応する技術;蹄耕法の思想;生産は牛まかせ;自然に学んだ牧場経営)
山を見直す(牧畜という農業;山で牧畜を営む;牧場を開放する;自然と人間の営み)
自然の中の人生