内容説明
本書はフランス地理学派の祖と仰がれ、近代地理学の発展に大きな貢献をしてきたポール・ヴィダル・ド・ラ・ブラーシュ(Paul Vidal de la Blache,1845‐1918)の地理学を、とくに学説研究の視点から考察し、その全体像を明らかにしようと試みたものである。
目次
1 ヴィダルとその時代
2 ヴィダル地理学の基本概念
3 環境と文明―生活様式論
4 フランス地理学派成立期の地域研究―とくにペイ(pays)の研究について
5 ローカルな関係から一般的関係へ―交通
6 ヴィダル地理学の展開―『東部フランス』研究をめぐって
7 ヴィダルにおける一般地理学の構想
8 デュルケーム派社会学とヴィダル地理学
9 ヴィダルとデュルケーム
10 ヴィダル地理学とアナール学派
11 生活様式論をめぐる諸問題―生活様式概念の活性化のために