内容説明
人間は誰もが天使の理性と狼の野性を合わせ持つ。そして天使の仮面に飽きた時、人間は狼への〈変身〉を願望する。狼となった人間の出現する時代は。舞台は。いや、過去、現在、未来、人間の存在するところすべてに、人間の二面性ある限り、変身願望ある限り、〈狼人間〉は跳梁し続けるのだ。10人のベテラン作家や期待の新鋭が、最も現代的なモンスター=〈狼人間〉をテーマに筆を振るい、ホラー、サスペンス、SFのみならず、哲学的領域にまで踏み込むアンソロジーの決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
21
妖魔の宴はドラキュラ、フランケン、狼男を各2冊づつ収録するアンソロジーシリーズ。人狼伝説自体の歴史は古いが、確立されたのは偉大なる古典を持つ他2つと比べて映画以降にならざるを得ず、代表的狼男タルボットの知名度はドラキュラの足元に及ばないし、NHKの100分名著シリーズでフランケンのように「感動しました!」と言われる日もなさそうだ。それでも狼男は不死者や人造人間と比べて最も生を迸らせる怪物であり、その俗で生々しいところがいいのです。それにしても吸血鬼と比べると、お家が汚部屋だったり不潔なのが多いですねえ…。2015/06/11
ニミッツクラス
18
92年(H4)の税抜563円の初版を読んだ。生頼氏風のカバーは打道氏。ノベライズの竹書房が珍しくも刊行したオリジナルアンソ。“スーパー・ホラー・シアター妖魔の宴”と銘打ったアンソのシリーズは6冊刊行され、本書は第一弾の“狼男”となる。菊地氏監修で人狼関連の10編とイントロとエッセイを収録。巻頭のエリスンは大人しい筆致で情景も目に浮かぶのだが、何を言っているのか判らない(笑) どの作品とは書かないが、人が狼に変身するとは限らず、また噛んだりしないと感染しないとも言えないネタがある。楽しく読んで。★★★★☆☆2019/08/05
冬至楼均
1
狼男って他の二人(?)と違って元と成る古典小説が無いですよねえ。その分だけ自由度が高いはず。2011/06/23