著者等紹介
安岡正篤[ヤスオカマサヒロ]
明治31年大阪市生まれ。大正11年東京帝国大学法学部政治学科卒業。日本農士学校などを設立、東洋思想の研究と後進の育成に努める。戦後、24年師友会を設立、政財界のリーダーの啓発・教化に努め、その精神的支柱となる。その教えは人物学を中心として、今日なお日本の進むべき方向を示している。58年12月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かず
23
まだ1周していないのですが、11月15日の一言が心に留まったので記録します。「知識は愛」という小題がついています。曰く「英語やフランス語を知っていること、また、哲学者や文芸家の事柄を多く知っているということが知識ではない」と。訳知り顔で物事を論評する娘よりも、黙して娘の着物を縫っている母親の方にこそ知識はある、と。年齢を重ね、漸く知識とはより多くの存在を愛し、敬するためにある事、そして、それを実践できてこそ初めて知が備わっていると言える事が分かりましたが、これを全うできるよう日々努めていきたいと思います。2018/11/18
かず
14
本シリーズを16冊始業前に読むのを日課にしている。安岡先生は陽明学を中心とした東洋思想家であり、昭和の歴代首相の指南役だったとのこと。一日一言は3冊刊行されており、本書は2冊目。初刊よりも若干難しいが、3冊目に比べればまだ分かり易い。今年は17枚付箋が付いた。最も印象に残っているのは、12月15日「我を亡ぼすものは我」でした。何事も原因は全て自分にあるのだ、と思い至れば、「怠けてなどいられない!」と身が入るものです。人のせいにしているうちはダメなんだろうと思います。時間を無駄にせず、精進したいと思います。2019/12/25
vip2000
7
安岡正篤先生は、日本の首相を影で操った。元号平成の名付け親、逸話が多い人です。この本は現代風に謂えば、先生の教えのサイトマップという所でしょうか。一年365日を一日づつ読める装丁になっています。本文で一番印象に残ったのは、(引用)【人間の矛盾 老いねば本物にならぬが、本物になる頃は最早人生の終点だ。】何とも含蓄の深い言葉です。先生の本は幾冊も熟読してますが、安岡ワールドの門にようやく入った感です。まだまだ道半ばです。養生やアンチエイジングの本も読みたい所です。2017/03/17
kiki
6
安岡正篤先生の言葉。社会で活躍する人間となりたいなら、脳を鍛錬すること。そのためには読書し続けることが早道。特に中国古典は役に立つ。古典の読み方として、初めは小学、孝経を学ぶこと。次は四書の大学、中庸、論語、孟子を学ぶこと。そして、孟子に対して荀子。五経の中では礼記がよい。それから左伝、書経、詩経、易経を学ぶこと。その後で老子、荘子。とにかく根気よく読み、解らなくても何回も読むこと。2017/04/30
Rika
6
「叩けば叩く程音が出るという人間は余程偉い人だ。その人から社会的なものを全部除けば零になるという人は弱い。」「一期一会とはすなわち一生涯に一度会うことで、風炉の前に主客が端座する時、その時今生においてこれ限りかも知れぬ、人命というものは朝露のごときものである、朝あって夕を図ることができぬ、ここで会えば復た会うことは人間として期することができぬ、今生にこれを限りと思う気持になる。そこで汲むと人間はふざけた心、雑念というものが悉く脱落して真心が現れる。その真心というのがあの一期一会の有名な精神であります。」2016/01/01