内容説明
父親としてわが子に何を残せるのか?
目次
新たなる人間学を
叡智と実践力
一生の見通しと設計
仕事に賭ける
職場の人間関係
読書と求道
健康管理と立腰
財の保全と蓄積
家づくりの年代
夫婦のあり方〔ほか〕
著者等紹介
森信三[モリノブゾウ]
明治29年9月23日、愛知県知多郡武豊町に端山家の三男として生誕。両親不縁にして、3歳の時、半田市岩滑町の森家に養子として入籍。半田小学校高等科を経て名古屋第一師範に入学。その後、小学校教師を経て、広島高等師範に入学。在学中、生涯の師・西晋一郎氏に出会う。後に京都大学哲学科に進学し、西田幾多郎先生の教えに学ぶ。大学院を経て、天王寺師範の専任教諭になり、師範本科生の修身科を担当。後に旧満州の建国大学教授に赴任。50歳で敗戦
寺田一清[テラダイッセイ]
昭和2年大阪府生まれ。旧制岸和田中学を卒業し、東亜外事専門学校に進むも病気のため中退。以後、家業の呉服商に従事。40年以来、森信三師に師事、著作の編集発行を担当する。社団法人「実践人の家」元常務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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江口 浩平@教育委員会
28
【生き方】父親となり、30代になったことにより、自分に軸を据えたいと思い手に取った一冊。今では古典とも言える著書ではあるが、西洋哲学一辺倒で進んできた現代の行き詰まりを打破するためにも今こそ読んでおきたい内容だと思った。智慧とは物事の「潮時」がわかり、物事のバランスを誤らないことというのは、「陽中陰あり、陰中陽あり」の言葉とともに、ついつい何事も行き過ぎてしまう自分への戒めになった。有限的生をいかに燃焼し尽くすか。自分を律して広く他を思いやれる大人になりたい。2019/02/23
柔
11
何はともあれ、まず自分がちゃんとすること!①父親自身が確固たる人生観を持ち、柔軟にして強靭な信念の持ち主でいること。②父親はまず一事を通して我が子忍耐力を育てる躾をすること。③父親自身が自らの生活規律を持ち、これを厳守すること。特に新しい学びもなく、内容も古いけど当たり前のことを当たり前にしなきゃと再認識。2025/07/10
ももたろう
8
良い父親とは。確固たる人生観を持ち、柔軟にして強靭な信念の持ち主であること。そのために、読書をし、道を求め続けること。仕事で実績をあげること。健康であること。お金を稼ぎ、貯蓄を計画的に行えること。妻を大事に、子どもの前では絶対に喧嘩をしないこと。自分の親を大切にすること。墓参りを中心に先祖を大切にすること。つまり、子どもを教育するぞーって考えるんじゃない。己を高めるために読書をし、世のため人のために役立ち、仕事で実績を上げ、健康的で、妻や両親やご先祖様を大切にできる人間であることが大切なのかもしれない。2024/08/31
せりかわたつや
8
父親のためだけじゃなく、人としての森信三先生の考えのエッセンスがまとめられている。人間如何に生くべきかの探究書。2016/09/20
荻野光希
4
本書は「父親として、どのような姿・心構えで生きるか」について書かれた本です。大切なことは、父親自身が使命を自覚し、それに従った生き方をすること。そうした生き方は哲学や規則性を生むわけですが、その姿が、子どもにとって生き方の種となります。著者は明治生まれの方なので「母親は家庭を守る」といった記述があります。しかし、そうした役割分担が変化しつつある現代では、父親としての生き方も、母親としての生き方も、両方を必要に応じて担うことが大切なのだと思います。今の時代の『親としての生き方』を考えさせられる一冊です。