出版社内容情報
今日、凶悪な殺人事件や相次ぐ自殺などに象徴されるように、「命」を敬う意識が低くなっている。私たちは奇跡の中の奇跡としか呼べないほどの確率で、いま、ここに存在しているのに、そのことに感謝できない社会は恐ろしい。
著者・坂村真民さんは仏教精神を基調とし、詩作に打ち込んでこられた。その代表的な言葉に「念ずれば花ひらく」がある。とかく現代人は結果だけを追い求め、慌ただしい日々の中に「思い・念・祈り」といったものを忘れてはいないだろうか。
本書は「命を生ききること」を真剣に、切実に問う。一年三六六日の言葉としてまとめられた詩と文章の中に、それぞれの人生で口ずさみたくなるような言葉があふれている。
著者等紹介
坂村真民[サカムラシンミン]
明治42年熊本県生まれ。昭和6年神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業。25歳の時、朝鮮で教職に就き、36歳で全州師範学校勤務中に終戦を迎える。帰国後、21年から愛媛県で高校教師を務め、65歳で退職。以後、詩作に専念。四国に移住後、一遍上人の信仰に随順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じ、37年月刊個人詩誌『詩国』を創刊。平成11年愛媛県功労賞、15年熊本県近代文化功労者受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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やすらぎ
200
一日一言、口ずさむことで身に沁みる。三百六十六語。言の葉と出会うと感動が生まれる。言霊となって支えてくれる。誕生の日にはこう書いてある「落日が知らせる晩年の生き方」。軽くなろう。横たわっていてもできることがある。受け入れる。俯くと野に露が光っている。ほほえみが周りをも明るくする。清々しさ、あたたかさ、花ひらく。路傍に立ちまた歩く。瞳が濁ってしまえば澄んで見えなくなるのだろう。時に涙を滲ませて洗い流せば美しくなるのだろう。光を光のままに、風を風のままに、ありのままに、あるがままに。りんりんと秋音が聴こえる。2023/09/02
なつ
34
「窯を見て歩くのが好きだ」と真民さん。その窯とは勿論、薪で三日三晩焼き続ける穴窯(登り窯)を指していて、私はスイッチ1つで勝手に焼き上げてくれる簡単電気窯なので、全然違うけど、でも、やっぱり嬉しい。そしてこんなことも。「窯は一つの宇宙である。死して生きよと教えてくれる人生炉である」 以下、心に留めておきたいことば達。「この道はあきることはないーあきる道は本ものではない。この仕事はあきることはないーあきる仕事は本ものではない。あきない道だから、あきない仕事だから、いつも新しく、いつも生き生きしている」続く↓2024/04/23
やじ
25
酔っ払って帰ったある日、ある詩を読んで目頭が熱くなった。藤尾秀昭氏の巻頭コラム「自分の花を咲かせる」をまとめた冊子の中の一編「本気になると世界が変わってくる‥変わって来なかったらまだ本気になってない証拠だ‥」。仕事に人生に悩んでいた(まだ悩み中だけど)時に出会った真民先生の詩が琴線に触れたのでした。一日たった数行なのに、毎日読めず、まとめ読みの日もありましたが、やっと一年経ちました。もうすぐ致知出版の感謝祭なので、次は一冊の詩集を求めたいと思います。2018/10/18
森林・米・畑
21
2022年1月からコツコツと。真民先生の有名な『念ずれば花ひらく』力強さと優しさと繊細さがある先生の詩は一生懸命生きるみんなの応援歌だ。『人生に口ずさむ言葉を持て』と先生はよく言われたそうだ。そういうのは大事だな。2022/12/05
yutaro sata
18
全編筆写し終えました。ちょうど去年の5/30から筆写し始めて、今日で一周。 「鈍刀を磨く」の詩に惚れて購入しましたが、修行、鈍、仏教的なものなど、私も好きな世界という感じ。 特に、足の裏を尊ぶその姿勢が、そのまま文体にもあらわれているように思います。 次は吉増剛造さんの『死の舟』に向かいます。 これは前職の先輩に教えてもらったもの。 教えてもらわなければ出会わなかった作品かと思います。明日から楽しみです。2025/05/29
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- モトチャンプ 2020年6月号