内容説明
没後50年を経た現在もなお若者の熱い支持を得る詩人・中原中也。終生2人の女の像とのしがらみに苦しみ、そして愛児の早逝に悩みながらも詩作を続け、名作「山羊の歌」「在りし日の歌」などを残し、30歳という若さでその生涯を閉じた。若き日、その中也の知遇を得、示唆を受けた著者野田真吉が、記録映画作家・詩人というユニークな視点で中也の生きた軌跡をたどりながら、その実像・詩境に迫る。
目次
詩碑
初対面
漂泊者たち『半仙戯』のこと
頬の傷あと
ダダイスト中也―愛の破綻
彷徨
懊悩転々
錯乱
片言隻句
肝やき息子の結婚
山羊の歌
ベッドと『椿姫』
月夜の浜辺で拾ったボタン
ペロペロの神さま
オレンジ色の詩、いのちの歌
雪の日のクーデター
訳詩集『ランボオ詩抄』
呼気と吸気
最後の訪問、あるいは中也の死
愛の像(未刊詩篇ノート)
女の像(ふたりの女の回想録についてのノート)
補足ノート