内容説明
本書は、古代のオリエントからギリシア・ローマ、中世・近世から近・現代の東西ヨーロッパとロシアにおいて、政治や経済や法制をはじめ、社会、宗教、文化などの様々な側面で「分化と統合」という相反する諸力の作用を認め、その実態を歴史的に検討するものである。
目次
1 古代世界の分化と統合(ハンムラビによるバビロニア統合支配と経済政策の背景―「イルクム」体制の導入と『法典』上の新機軸;イソクラテスとギリシアの統合問題 ほか)
2 中・近世ヨーロッパの分化と統合(中世の市場と貨幣使用に現われた権力の分化と統合―いわゆる三位一体的構造を手がかりに;14世紀後半ホラント伯領諸都市の「会合行動」(dagvaarten) ほか)
3 東ヨーロッパ・ロシアの国家・民族・社会(ポーランド1791年5月3日憲法と周辺諸国の反応―ザクセン公使エッセンのワルシャワ報告を手がかりに;ロシア帝国憲法案(1820年)とポーランド王国の成立 ほか)
4 近・現代ヨーロッパの国家・民族・社会(ディアス・デル・モラールと「アンダルシアの農業問題」;国境の変容とヨーロッパ連合の拡大―エストニアを事例として ほか)
著者等紹介
小倉欣一[オグラキンイチ]
早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。