出版社内容情報
被服支廠には枯れ草があった。それだけでも嬉しい
-- 作 池澤夏樹
この建物は生きている
-- 絵 黒田征太郎
現存する被爆建物「旧広島陸軍被服支廠」をテーマに、日本を代表する作家の池澤夏樹と黒田征太郎が言葉と絵と木工作品を交えた新しい絵本を作りました。主人公のネコとクスノキの対話を通して、戦争、平和、そしていのちとは何かを読者へと問いかけます。
【あらすじ】1945年7月、煉瓦造りの大きな建物を見つけたネコは神社のクスノキに尋ねます。「あれはなに? あの大きな建物」「りくぐんひふくししょー」。兵隊の服を作り、穴が空いた服を繕い、再び兵隊へと着せる。なぜ穴が空いているの? 人も草木のように生えてくるの? そんなネコの疑問に答えながら、クスノキは人間がやがて引き起こすだろう凄惨な未来を予見して怯えます。そして、同年の9月。再会したネコとクスノキが、互いが目にした2カ月間の様子を語らいます。
*池澤夏樹による解説「ヒストリー陸軍被服支廠」収録
内容説明
広島にある被爆建物の記憶を伝える忘れてはいけない物語―絵本はここまで出来るのか!見るだけ読むだけでは済まない77年前の真実。
著者等紹介
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道帯広市生まれ。詩人、小説家、翻訳家。1988年『スティル・ライフ』で芥川賞、1992年『母なる自然のおっぱい』で読売文学賞、2021年フランス芸術文化勲章「オフィシエ」など受賞。代表作に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』、『氷山の南』など。世界を旅し、インタビューや寄稿、翻訳、創作を通じて、戦争や平和、原発問題など現代社会が抱えるさまざまな問題を問いかけている
黒田征太郎[クロダセイタロウ]
1939年大阪府大阪市生まれ。画家、イラストレーター。1945年の神戸市空襲でB29の爆弾で自宅が被災する。1961年に早川良雄デザイン事務所勤務を経て、1966年に早川良雄デザイン事務所勤務を経て、1966年渡米。帰国後の1969年に長友啓典とケイツー(K2)を設立。野坂昭如の『戦争童話集』を出版。「忘れてはイケナイ物語り」プロジェクトや核兵器廃絶を訴える「ピカドンプロジェクトト」など平和に関する活動も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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