内容説明
東北アジアと日本との問題は、日本にとって最も厳しい、最も鋭角的な、目をそむけたくなるような形で提起されている。日・中・韓の碩学が、歴史の原点に立ち返って、東アジアの未来について本気で論じあう。
目次
1 東アジアの双子国家―日韓は戦略を共有できるか(はじめに―日韓中、三国関係の地政学;東アジアに誕生する「双子国家」;ドイツ統一の教訓と王朝政治の伝統;おわりに―未来を構築する共同イニシアティブ)
2 戦後日本の反核平和と民主主義思想の形成(日本国憲法の成立とその意義;「全面講和」運動とその国際的役割;原水爆禁止運動の成立;むすび)
3 ヤルタ体制の見直し―太平洋戦争から朝鮮戦争までの列強の戦略とイデオロギー(日本の戦略と思想;ソ連の戦略と思想;中国と朝鮮戦争―戦略と思想)
4 ウェストファリア体制の受容過程の中国―21世紀中国の東アジア戦略への示唆(ウェストファリア体制を拒否し続けた前史;重い「負の遺産」から再出発した孫文と袁世凱の時代;蒋介石が獲得した「平等」とその虚しさ;一〇〇年の悪戦苦闘が二十一世紀の中国外交に残した「教訓」)