ナノテクビジネス最前線―事業化成功の秘訣

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  • サイズ A5判/ページ数 253p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784883991938
  • NDC分類 504
  • Cコード C0030

出版社内容情報

■著者からの推薦文
 ナノテクはいまブームになったのではありません。以前からずっと継続されてきた
テクノロジーなのです。もともと科学技術の中では、大きな物を小さくするというテ
クノロジーが発達してきました。その分野がナノの世界、つまり10億分の1の世界に
入ったわけです。
 ではなぜ、これほどまでに「ナノテク」が取り上げられたのでしょう。ナノの世界
では分子や原子の構造まで操作してしまうことが可能になり、これまでの製造技術と
は明らかに異なるからです。つまり、Aという物質から、ナノテクによって、全く異
なる物質Bに作り変えられるのです。例えば極端にいえば、DNAにシリコン半導体のよ
うな機能を持たせることも可能なのです。これは、あらゆる分野に大きな影響を与え
るテクノロジーで、我々の世界が激変するといってもよいかもしれません。
 したがって、ナノテクとはただ単に超微細加工技術というだけでなく、特定の物質
に希望する機能を与えられる技術なのです。そして、その技術がまさに今、最先端技
術から産業技術へと進化しつつあります。果たしてどんな分野にどんなビジネスが生
まれるのでしょうか?
世界初のナノテク総合展「ナノテック2002」をプロデュースした立場から、多くのナ
ノテク関連企業に取材し最新情報を駆使して、ナノテクビジネスの最前線をレポート
しました。

■出版社からの推薦文
 日本経済の低迷はいつまで続くのでしょうか。私たちはいつまで「痛み」を我慢し
続けなくてはならないのでしょうか。先の見えない暗闇のような情勢の中で、もし一
筋の光明を見いだすとするなら、それは「ナノテクノロジー」にあるのではないか、
それが本書を刊行まで押し進めた原動力です。
 ナノテクノロジーは、現在ちょっとしたブームとなっていますが、決して唐突に現
れた科学技術ではありません。これまで長年の間培われてきた最先端技術の行き着い
た一つの結論といえます。超微細加工技術と呼ばれるこれらの最新の研究成果をいか
にして産業として社会に還元するのか、つまりいかにしてナノテクをビジネスとして
成り立たせるかが、現在緊急の課題といえます。
 本書は、ナノテクノロジーの最新の研究成果をビジネスに活かすための方策につい
て、詳しく解説しました。また、実際にナノテクビジネスを開始して一定の成果を収
めている企業を紹介しています。さらには、アメリカ、中国などにおけるナノテク事
情から大学と企業を結ぶTLO(技術移転機構)の利用についてなど、ナノテクビジネ
ス全体を俯瞰できるようになっています。
 本書は、ナノテクノロジーのビジネスとして側面を広く知っていただくことを目的
としてますので、科学技術の専門的な知識はできるだけわかりやすく説明しました。
そのため、これまでナノテクノロジーについてご存じなかった方にもおすすめいたし
ます。


■著者略歴
松井 高広(まつい たかひろ)
ナノ・ビジネス・マーケティング研究所 所長
(株)アイシーエス企画 営業推進部長
 1957年、東京生まれ。81年、大学卒業後、カナダのブリティッシュ・コロンビア州
立大学国際関係学科に留学。84年、同大学を中退し、JTB系列の総合イベント企画会
社、(株)アイシーエス企画に入社。以来、国際会議、企業イベント、国際展示会の
企画・運営に携わり、イベントオーガナイザーとして数々の総合イベントを立ち上げ
る。
 2002年3月、世界初のナノテク総合展示会「ナノテック2002」を企画し、ナノテク
実行委員会事務局長として成功に導く。来場者が1万人を突破し、各マスメディアに
大きく取り上げられる。その後、ナノ・ビジネス・マーケティング研究所所長に就任。
 現在、「ナノテクノロジー」という最先端のサイエンスをビジネスに結びつけるた
め、各大学・研究機関・企業などへの広い人脈を活かし、ナノテクビジネスのコーディ
ネーター兼コンサルタントの第一人者として活躍中。

■目次

第1章 今なぜ「ナノテクノロジー」なのか?

「ナノテクノロジー」の衝撃
「ナノテクノロジーは歴史の必然なのです」
アメリカの構想に慌てふためいた経団連
ナノテクを国家戦略と位置付けた「n―PLAN21」
モノづくりの発想「規格大量生産型」の転換期
次々と研究開発される次世代科学技術
科学技術の常識を越えた「科学技術」
基礎技術がビジネスになりやすい


第2章 日本がナノテク後進国になる危険

産学連携では日米の格差がこれだけある
アメリカは産学連携で目覚ましい躍進を遂げた
貧弱すぎる日本の産学連携状況
不足するナノテクをビジネスにする方策
台頭する「世界の工場」中国に勝つために
日本ではなぜベンチャーが育たない
ようやく動き出した産学連携のベンチャー
科学に興味を持たない日本人が増えている


第3章 日本がナノテクビジネスで勝てる条件

研究開発の知的所有権はだれのものか?
サイエンスリンケージの日米格差が拡がった理由
産業構造から見た日本の強み
日本版知的クラスターの構築が重要
分野横断的色彩が強いからこそ総合商社が活躍する
ゲノムの寵児の挫折から学ぶもの


第4章 特別寄稿「日本のナノテク、果たして強いのか、弱いのか?」
    ●三菱総合研究所 主任研究員 亀井信一

真剣に競争している分野に日本のアドバンテージがある
一歩間違えばナノテク分野でも部品の調達国になる
ナノテクビジネスにおける日本型モデルとは?

第5章 特別寄稿「ナノ・バイオ・インフォメーションテクノロジーについて」
    ●川合 知二 大阪大学産業科学研究所教授

ナノテクノロジーは特別に新しい技術ではない
トップダウンとボトムアップ、どちらを進めるか?
日本のナノテクはどうなっているか?
日本ではどんな分野にどんな課題があるのか?
私たちの身体の中にある「ナノテクノロジー」
ピンポイントの治療ができるドラッグデリバリー
「iモード」で検査情報を送って健康管理
5年後には全世界で100兆円の市場になる
旧来のモノ作りから脱却し、ナレッジ型新規事業へ
知のアウトソーシングにもやり方がある
産学連携をしないと「非国民」か?


第6章 事例に見るナノテクビジネス最前線

「ナノテク指導委員会」を設立した中国の意図は?
国家ナノテク戦略「NNI」、600億円の脅威
「ネクスト・シリコンバレー」の報告書の内容とは?

【事例に見る ナノテクビジネス起業報告】
・ 三井物産
  ――ナノテク推進で多くの企業が恩恵をこうむるという壮大な展望を持つ
・ 住商バイオサイエンス
  ――商品ではなく「技術」を売買する総合商社の新しい道を探る
・ YKK
  ――「ナノクリスタル」でバットを製造、シドニー五輪で一躍注目
・ ホソカワミクロン
  ――ナノレベルでの新しい粉体技術を開発し、複合材料分野に進出
・ ミューソリューションズカンパニー
  ――紙に埋め込める世界最小の無線認識ICチップを開発
・ クレステック
  ――光学デバイス分野でナノレベルの超高精度な描画位置制御を実現
・ ユニソク
  ――ニッチ戦略で研究用の超高真空型SPMでは国内市場の6割を独占
・ 日本ビーコ
  ――走査型プローブ顕微鏡で世界のトップシェアを独走する
・ エッチャンデス
  ――盲導犬ロボットを実用化するための人口網膜システムを研究開発


第7章 ナノテクビジネス成功の秘訣

ナノテクノロジーの実用化を予測すると?
ナノテクノロジーの出口が見えないという問題
すぐに行動を起こした方が圧倒的に有利に
『三菱商事』と『三井物産』、それぞれの選択
TLOをどうやって活用するか
クラスター構想から分析したナノテクビジネス
期待先行の危険性
ベンチャーキャピタルに積極的にアプローチする
ベンチャーキャピタリストに考えて欲しいこと
ナノテクビジネスへの道を開いた2社の行動


巻末付録 日米ナノテクビジネス会議「日米ナノテク起業を探る」
【参加者】
<日本側>
・亀井 信一 三菱総合研究所 主任研究員
・井村 亮  ミューソリューションズカンパニー カンパニー長
・前野 拓道 三井物産 ナノテク事業室 室長
<米国側>
・ロブ・マイルズ  ボーテックス・パートナーズ(ベンチャーキャピタル)
・ジム・ボンネアー ザイベックス・コーポレーション(ベンチャーカンパニー)
・ケビン・ラランデ オースティン・ベンチャー(ベンチャーキャピタル)
・ダニエル・レフ  セビン・ローゼン・ファンド(ベンチャーキャピタル)

内容説明

30兆円市場を狙うナノテクビジネスの全貌。資金調達、技術導入から産学連携まで、ナノテクビジネス成功の秘訣を徹底解説。

目次

第1章 今なぜ「ナノテクノロジー」なのか?
第2章 日本がナノテク後進国になる危険
第3章 日本がナノテクビジネスで勝てる条件
第4章 特別寄稿「日本のナノテク、果たして強いのか、弱いのか?」
第5章 特別寄稿「ナノ・バイオ・インフォメーションテクノロジーについて」
第6章 事例に見るナノテクビジネス最前線
第7章 ナノテクビジネス成功の秘訣

著者等紹介

松井高広[マツイタカヒロ]
ナノ・ビジネス・マーケティング研究所所長。(株)アイシーエス企画営業推進部長。1957年、東京生まれ。81年、大学卒業後、カナダのブリティッシュ・コロンビア州立大学国際関係学科に留学。84年、同大学を中退し、JTB系列の総合イベント企画会社、(株)アイシーエス企画に入社。以来、国際会議、企業イベント、国際展示会の企画・運営に携わり、イベントオーガナイザーとして数々の総合イベントを立ち上げる。2002年3月、世界初のナノテク総合展示会「ナノテック2002」を企画し、ナノテク実行委員会事務局長として成功に導く。来場者が1万人を突破し、各マスメディアに大きく取り上げられる。その後、ナノ・ビジネス・マーケティング研究所所長に就任。現在、「ナノテクノロジー」という最先端のサイエンスをビジネスに結びつけるため、各大学・研究機関・企業などへの広い人脈を活かし、ナノテクビジネスのコーディネーター兼コンサルタントの第一人者として活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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