内容説明
「男の顔を洗う水音が遠くで聞こえた。彼の姿も、自分とかけ離れたものに感じる。今、時間を飛び越え、彼だけが別世界にいた。そこには時の流れすら存在しない。存在するのは、白い砂と、コバルトグリーンの海と、眩しい光だけだった」(ニライカナイ)。現代人の忘れかけた心を、沖縄の自然を豊かに織りまぜて描く表題作。読み進むごとに、遠い日の光景が懐かしく甦る。
著者等紹介
小川博久[オガワヒロヒサ]
1959年、静岡県生れ。静岡大学卒業後、三菱電機入社。重電営業マンとして神戸・東京・横浜に勤務。1998年、父親の死に伴い退社。以後故郷の藤枝に戻り、製紙原料を商う家業に携わる。「ニライカナイ」をぶんりき創刊号に掲載。趣味は油絵・沖縄旅行
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