内容説明
本書は、国際貿易、経済開発、国際マクロ経済学、国際金融、国際経済システムの分野を一通りカバーするように配慮した。経済学を専攻していない学生に考慮して、可能な限り図による説明を中心にし、数式による証明を省略した。統計上のデータについては可能な限り日本経済を中心としたものを用いて世界経済の現状を明らかにするように試み、また現在世界経済、日本経済が直面する問題に重点をおいて叙述した。モデルの説明は部分均衡分析と一般均衡分析、小国ケースと2国ケースをわけてそれぞれその両方を論ずるようにし、また、経済モデルのもつ政策的意味合いを明らかにするように努めた。変革期にある国際経済システムの再構築が現在の世界経済の一大課題になっていることを考慮して、国際貿易体制、国際通貨体制、政策協調に関する叙述をややくわしくしている。
目次
1 比較優位の理論
2 不完全競争と産業内貿易
3 保護貿易の経済効果
4 国際資本移動と企業内貿易
5 開発戦略と貿易
6 国際マクロ経済学
7 為替レート決定の理論
8 世界貿易体制
9 世界通貨体制
10 国際協調と新たな国際経済システムの形成