晋遊舎ブラック新書 自殺ドミノ―自殺事件に巻き込まれた人々の恐るべき証言

石原 行雄【著】

晋遊舎（2008/06発売）

• サイズ 新書判／ページ数 205p／高さ 18cm
• 商品コード 9784883807925
• NDC分類 368.3
• Cコード C0276

内容説明

自殺は美しい死に方なんかじゃない！自殺は感染し、また新たな被害者を生む。負の連鎖はさらなる悲劇をもたらすのだ。妻の自殺を親族に責められ後追い自殺する夫、親友の最期を目の当たりにしてトラウマに苦しめられる男性、飛び降り自殺の現場となったマンション住人たちに襲いかかる経済的被害…。長年、自殺問題に取り組んできた著者が明かす、自殺事件に巻き込まれた人々の驚愕の証言集。

目次

第１章　「娘が死んだのはおまえのせいだ」―義父に責められ妻の後を追った夫
第２章　「割腹」―親友の内臓を見た私のトラウマ
第３章　「花なんか供えるな！」―資産価値下落を恐れるマンション住人たち
第４章　「借金は俺に任せて」―命で支払った住宅ローン
第５章　「漂う妖気が救いの手を阻む」―子供たちも去った孤独の家
第６章　「ラスベガスへ行きたい」―突然の保険金が狂わせた未亡人の金銭感覚
第７章　「付き合ってくれないなら飛び降りてやる」―窓から消えた塾の教え子
第８章　「死ね」―叔父の遺書に書かれていた自分の名前
第９章　「早く洗わせてください」―飛び降り自殺の現場となったショッピングセンター
第１０章　「最後のドライブ」―カーナビに記録されていた夫の足取り

著者等紹介

石原行雄［イシハラユキオ］
ノンフィクションライター。ドラッグ、リストカット、ゴミ屋敷など、アングラ系社会問題を中心に執筆。海外ネタにも強く、内戦状態のイラク、北朝鮮、チベット、ミャンマー、津波被災後のスマトラ島など、約４０カ国を取材（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[林 一歩]

自殺は醜いという一点突破は認めても良い。ただ、著者のイズムが読み取れない。そのため、副題で言うところの、自殺に巻き込まれた人たちを、揶揄という表現は語弊がありますが、下世話な週刊誌ネタに貶めている感がある。近親者や友人に自殺者が多く、所謂巻き込まれた張本人でもあるし、また自身も未遂で巻き込む寸前だったので、その点は相容れない。当時のことをフラッシュバックしてしまい、読了後妙な疲労感を覚えた。そして、私を蘇生してくれた方に感謝。

2014/09/04

[まっ黒大魔王]

自殺によって苦しむのは死んだ当人だけではない。遺された人々の記憶にも深い傷痕を残す。自殺はまた、綺麗な潔い死に方ではなく、最も醜い死に方でもある。主張はまあわかるのだが、それと本書の構成にかなりズレがある。身内や知人の自殺により、傷痕を残した人々へのインタビューから構成されているが、それに対する筆者なりの考察が全くといっていいほどなく、各章の始まりの頁が黒背景に白字であることでB級ホラーのような雰囲気を醸し出してしまっている。あまり考えられた書物ではないな、と。

2014/06/26

[澤水月]

「自殺は美しくなく醜悪」「怨みを晴らしたい相手には効かず、自殺者を愛していた者や自殺者が愛していた者を破壊する」「自殺は迷惑行為である」「残された者（関わった者）に地獄をもたらす」負の感染…地獄のドミノを生む。著者に全面同意（私は自殺者遺族で第一発見者でもある）。10の自殺とその周辺に起きた出来事が描かれているが１章短くあえて軽めに書いてあるので読み通せた（これでも？現実はもっと酷いもの…）。著者の主張と筆致には全く同意なのだが、各章の題、副題に全く内容と異なり扇情的なものがあるのだけは許し難い。編集者？

2013/04/22

[真珠郎]

ひたすら暗い気分になった｡あまり読み返したくない｡

[TsumuRi]

「自殺は醜い死に方である」「自殺は迷惑行為なのである」配偶者や親族、友人などの近しい関係者として、また、単なる通りすがりとして、何らかの形で自殺者に関わってしまった人たちの人生が、その後大きく狂わされてしまったという体験談集。死の時点で自殺者の世界は終わるけど、他の人の世界は続いていてただ悲惨で、それを知ってしまうと自殺は自己憐憫に満ちた身勝手な行為であるとしか思えなくなる。もう何年も前の話だが、死ぬことを諦めて、よかった。

2010/06/16